大成功!実家の片付け 第2回

「実家の片付けはしなくていい!」という親はどうしたらよい? 男女別・親のタイプ別アプローチ

大成功!実家の片付け

親のタイプによって上手に片付けを促すコツを、実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さんにうかがいました。男親・女親別のアプローチの仕方と、親世代を3つのタイプに分けた、片付けに気持ちを向かせる方法です。

【執筆・監修】渡部亜矢(わたなべあや)

いざ、実家を片付けようとすると、「いまのままでいい」「触らないでほしい」と、親から拒否され、ケンカになってしまうケースが多々あります。
そこで親のタイプによって上手に片付けを促すコツを、実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さんにうかがいました。男親・女親別のアプローチの仕方と、親世代を3つのタイプに分けた、片付けに気持ちを向かせる方法です。ぜひ参考にしてください。

夫婦それぞれが、各自の実家の片付けを担当する

実家と義実家、片付けやすいのはどちらでしょう?
義実家は気を遣うので大変では? と思いがちですが、実は片付けやすいのは義実家のほう。自分の親だと、言わなくてよいことまで言ってしまったり、自分にとっても思い出の品がたくさんあって片付けがはかどらなかったりします。一方、義実家だとそれらのことがないため、仕事のように割り切って片付けられるのです。
できればお互いの実家を手伝えることが望ましいのですが、現代は核家族化。人手が足りないため、各自で実家の整理をすることになります。そんな中でまず娘さん・息子さんそれぞれに注意していただきたい点があります。

女性は先のことをイメージできる方が多く、娘の場合は実家をそのまま放置したら、先々に親が亡くなった時は自分が片付けをしなければならなくなる、ということを理解できています。そのため気持ちが先走ってしまい「片付けないとダメ」「こんなものとっておいてどうするの」と、相手の欠点を指摘してケンカに発展してしまいます。
一方、息子の場合は帰省することで、特に母親が"元気"を演じてしまうことがあり、親の変化に気づきにくくなります。また男性に多いのが、多機能な家電などを親にプレゼントすること。最新型だけれど重い掃除機、窓拭きの機械など、親孝行のつもりで贈っても親は新しいものを使いこなせず、ゴミが増えるだけという結果になってしまいます。

娘さん、息子さんそれぞれの傾向も念頭に、次のことを参考にして親に片付けのアプローチをしてみてください。

男親・女親別アプローチ

男親の場合は「下手に出る!」

現在のシニア世代の男性は、サラリーマンとしてピラミッド型の組織の中でずっと働き、定年を迎えた方が多いです。家長であるという意識が強いため「片付けたほうがいいよ」と子どもに言われることを嫌う傾向にあります。"家族の意見"では動かないので、「テレビ番組でこんなこと言っていたよ」「自治体でゴミの仕分けはこう決まっているみたいだよ」というように、"世間一般の意見・情報"としてアプローチすることをおすすめします。
そして、草むしりなど片付けをしてくれたら「さすがお父さん!」とねぎらうことも忘れずに。

女親の場合は「共感する!」

女性が家を守るという価値観の世代なので、家の片付けや掃除は自分がやらなければならないという意識が働いています。しかし、使命感はあっても体力的に実労働がつらく、本人もジレンマを抱えています。だから「これをやるのは大変だよね」と、まずはその気持ちに共感してあげることがポイントです。そして、「近所の〇〇さんがリフォームして暮らしやすくなったみたいだよ」「女優の△△さんが終活しているらしいよ」と、母親が共感しやすい人の話題でアプローチするのがよいでしょう。

親のタイプ別アプローチ

1.もったいない!タイプ

"もったいない"という価値観を持つ親世代に非常に多いタイプで、「いつか使う」「ブランドものだから」「思い出の品だから」と、捨てなくてもいい理由を探しています。
購入当時に高価だった品は余計に捨てにくいものです。
この場合は「捨てよう」と言っても聞き入れてはもらえません。日常的に使うもの・使わないものに仕分けをし、使わないものは段ボールなどにまとめて保管しておきましょう。数か月、1年など経過して開封されることがなければ、使わないものとして親に納得してもらいましょう。寄付するなどリユースされる仕組みを利用すれば、"もったいない"という気持ちも和らぎます。また、思い出の品なら部屋に飾ってみるなど、親の気持ちに寄り添うことも大切です。

2.現状維持タイプ

"いまの状態を変えたくない"というタイプです。
子ども世代は、自分の望む暮らしをイメージし、北欧風、アジア風などインテリアを楽しんで模様替えをするなど、そのイメージに向かって片付けることができます。しかし親世代はこれまで何十年と現在の家の状態で暮らしてきています。これまでこの状態で不便がなかった、危険がなかったから「いまのままでいい」と思うのです。
しかし実際は、年代に応じた部屋の片付けが親の健康や安全を守ります。
「きれいにすれば孫が来やすくなるよ」「こうすると使いやすくなるのよ」と、片付けで得られるプラスの要素を伝えることで、その意識にアプローチしてみてください。

3.自立誤解タイプ

"自立=人に頼らないこと"と思い込み、SOSを出せないタイプです。
いつまでも自分の力で、自立した生活を営みたいというのは多くの人の願いです。しかし実際は体力的に自分で片付けることが困難になっています。また、子どもに迷惑をかけたくないという思いをもっている場合もあります。
そんな場合は、人の手を借りてもいいのだということを伝えましょう。
たとえば、家を出て以来そのままになっている自分の部屋(子ども部屋)を片付けて、「ついでにここも片付けようか」と、"ついで感"を出すのも、親の心の負担を和らげるひとつの方法です。

執筆・監修

渡部亜矢(わたなべあや)

(一社)実家片づけ整理協会 代表理事  実家片づけアドバイザー® 片づけ講師

少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー®」認定講座、人生100年ライフの片づけ整理術、親子で取り組む生前整理、出張片付けサービスなどを展開し、雑誌やテレビ、ラジオでも活躍。遺品整理士の資格も持つ。2019年には、片付けに悩む人々をつなげるサロン「自宅と実家のオンラインサロン」開設。著書に「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~」(SBクリエイティブ)、「「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)など多数。


(一社)実家片づけ整理協会