PTA役員に選ばれるのはどんな人?しんどい時の断り方を含めて詳しく解説

夫婦・家族

この記事をシェアしよう

たいていの人が「できれば避けたい……」と思ってしまうPTA役員ですが、活動の目的は、「子どもたちの健全な育成」を支援することです。PTA活動をとおして人間関係が豊かになるなどのメリットもあります。

この記事の監修

矢口ミカ

複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

PTA役員を決める春先になると、ゆううつになる保護者は少なくありません。役員を引き受けてしまうと、さまざまな役割を担うことになるため、仕事と家庭の両立が難しい面もあります。

この記事では、PTA役員決めの改革例や引き受ける際に気をつけたいポイントについて解説します。

PTA活動とは

PTAの活動の目的は、「子どもたちの健全な育成」を支援することです。地域では、大人が子どもの成長を見守りながら、「地域学校協働活動」を進めています。そのなかでPTAは地域や学校において重要な役割を果たしてきました。

このPTAの活動には地域や学校ごとに、さまざまなものがあります。たとえば、神奈川県の資料では主な活動事例として下記が紹介されています。

活動名

活動の目的

家庭教育充実のための学習

子どもの規範意識、しつけ、親子のきずな、子どもとの接し方 など

学校教育を理解するための学習

学校支援ボランティア、学校行事など

健康・安全・環境に関する学習

防犯・防災、交通安全、安全マップの作製、ペットボトルキャップ集め、緑のカーテンや緑化運動など

人権学習

いじめ問題、障がい者の人権など

神奈川県「第2章 PTAの活動って何だろう?|P17」の情報を基に筆者作成

近年では、PTAを設置していない学校も多々あります。西東京市の「けやき小学校」では、平成13年4月に2つの小学校が統合したのをきっかけにPTA制度を廃止しました。各学級や学年と保護者の連携窓口や、集団登校の子どもを守る組織としては、「学級委員会」と「地区委員会」が作られそれぞれ活動をしています。

それらの組織が機能しているため、PTAがなくても特に不便はありません。行事や学習補助のボランティアは、保護者が積極的に協力するので健全な学校運営が実現できているといいます。(※)

筆者の娘が通う学校でも2年前からPTAが廃止されました。しかし、コロナ禍ということもあり、特段不便は感じられず、私を含め周囲の保護者からはPTAがなくなったことに、ホッとしています。

PTA活動の改革例

PTAの運営方法は時代の流れとともに変わりつつあります。ここでは、PTA役員決めの改革例についてご紹介しましょう。

クジ引きをやめて全員立候補にする

PTAの役員を決めるたびに、ひと悶着あったご経験を持つ方は少なくないでしょう。立候補する人もいなくはないものの、たいていの場合、くじ引きやじゃんけんになります。しかし、いくら子どものためとはいえ、やりたくない人や事情のある人が選出されたからと強制的にやらなくてはならないのはおかしなものです。役員になってしまったお母さんがショックのあまり泣いてしまった姿を、筆者も目撃したことがあります。

「PTAのトリセツ」(世論社)著者の今関明子さんは10数年前、神戸市の小学校でPTA会長に就任した際に「クジ引きをやめ、立候補制にする」「広報紙の発行や研修をやめる」といったことを打ち出し、改革を成功させています。
立候補ならやる気のある人が担ってくれるため、やりたくない人や参加できない事情を抱えている人が無理矢理やらされることはありません。広報誌の作成やPTA役員の研修などは、仕事や家庭のことで忙しい人にとって負担が重いものです。これらがないだけで、かなり役員の仕事はラクになるといえます。

会議などはオンライン化を取り入れる

会議などにオンラインを取り入れ、改革を図った事例も見られます。いまやオンラインの活用は主流であり、PTA活動に取り入れても何ら不思議はありません。「直に顔を合わせて親睦を深める」という発想はもはや時代にそぐわなくなりつつあります。オンラインでの打ち合わせならば、コロナ禍で密に接する不安もなく、わざわざ学校まで出向かなくても自宅から参加できます。
こうしたオンラインの活動は会議だけに留まらず、資料の閲覧やボランティア募集のお知らせなどでも活用されるケースが見られています。オンラインと同時にペーパーレス化が進んでいるところは現代ならではといえるでしょう。

PTAの活動を気持ちよく行うためには

PTAの活動はフルタイムで働いている方も多いため、夜や土日など忙しい合間を縫って行われることが多くなります。ここでは、PTA役員をやるときに気をつけたいポイントを解説します。

役員同士で助け合う

まず、大切なのは「役員同士で助け合う」ことです。仕事をしている人がほとんどなので、困ったときはお互いに助け合うようにします。家庭の事情などであまり活動できないときは、無理せず他の役員に助けを求めるようにしましょう。自分の役割分担でないとしても困っている役員がいたら、できる範囲で構わないので気持ちよく助けてあげることも必要です。小さなことでもみんなで協力し合えばクリアできます。

家族にも協力してもらう

PTAの活動に配偶者の協力は必須といえます。地域によってはオンライン化が進まないところもあるため、最低限の会合は夜や土日に学校で行われる場合もあります。家族に学校や子どもたちのために役立つ活動をしていることを伝えるのも、家庭教育の一環となります。

ITツールを活用する

いまどきのPTA活動では積極的にITツールを取り入れています。委員会や係の日頃の連絡はグループLINEを作って、チャットで済ませるのが一般的です。履歴で残るので、保存データとしても活用できます。SNSツールを使って時間を効率よく使いましょう。

PTA役員を回避できる可能性のある人

たいていの人が「できれば避けたい......」と思ってしまうPTA役員ですが、仕事が忙しいという理由では「皆も同じ」ということであまり認められない傾向があります。ひとり親でも役員をこなしている方も多いため、これを理由にしたとしても、納得されないことが少なくありません。このようなことを前提としながら、PTAを拒否できる可能性のある人についてご紹介をします。

妊娠中または小さな子どもがいる

さすがに妊婦や赤ちゃんがいる人に強制はできないものです。したがって、「妊娠中または小さな子どもがいる」人は、その年は回避できる可能性が高いといえます。

介護をしている家族がいる

介護をしている家族がいる場合も無理にお願いできないものです。目を離せないような介護状況で頑張っている人も少なくないので強制することはできません。

すでにPTA役員を務めたことがある

PTA役員決めにおける暗黙のルールが、「上の子で一度PTA役員をした人は次の子からはやらなくてもよい」というものです。したがって、すでにPTA役員を務めたことがあるご家庭は、免除される可能性が高いといえます。

体調が悪い

PTA活動は会合や活動が多いので基本、パワフルでないとできません。そのため、「体調が悪い」方も拒否できるといえます。本人が悪くなくても家族に体調が良くない人がいる場合も同様です。この場合、体調が良くなったら引き受けることをセットにして考えましょう。

まとめ

PTA役員になると、ただでさえ忙しい毎日に役員仕事がプラスされるため、できれば避けたいものかもしれません。しかし、悪いことばかりでなく、PTA活動をとおして人間関係が豊かになるなどのメリットもあります。
子どもたちの健全な育成や地域社会に貢献できるという「人の役に立てるすばらしい活動」なので、できる方はやったほうがよいでしょう。PTA活動の負担がもっと軽くなれば、参加できる保護者も増えそうです。

【エビデンス資料】

※ 明石市「文教厚生 常任委員会 行政視察概要