家庭不和の原因は本当に性格の不一致? 関係を良くするコツをデータから徹底解説

夫婦・家族

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家族だからといって、お互いに甘えすぎるのは考えものです。家族が仲良く暮らしていくためには、夫婦で協力しあうことはもちろんのこと、子どもがある程度の年齢ならば、できる範囲で家事にも参加させたいものです。これを機会に家族との関係性について改めて見直してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

矢口ミカ

複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。趣味は整理収納と料理。

家族を"一番大切な人間関係"として考えている人は多いものの、仲良く暮らしていくことは、思ったより簡単なことではありません。近しいぶん、こじれた場合には大変なことになりかねないからです。

今回は、家族関係を良好に保つ方法について、一緒に考えてみましょう。

近年における家族の状況

1980年には614万世帯に過ぎなかった共働き世帯は、2020年には1,240万世帯と右肩上がりに増えています。一方、専業主婦がいる世帯は1980年の1,114万世帯から減少し、2020年には571万世帯になりました。いまや夫婦二人で働きながら家計を支えている家庭はスタンダードになっています。

内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ(令和3年5月18日)|P6 共働き世帯の増加①」より引用

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方はもはや過去のものではあるものの、妻がフルタイムで働く家庭は1985年以降横ばいで、パートタイマーが多い状況です。(※1)

このように夫婦ともに働く世帯が多いにもかかわらず、6歳未満の子どもをもつ夫婦の1日当たりの家事・育児関連時間は、妻の7時間34分に対し、夫は1時間23分というデータ(※2)も存在します。先進国のなかでも日本の女性の家事時間は長く、妻の負担は一向に軽くなりません。

さて、一緒になったときにはバラ色の未来を夢見た2人も、何かをきっかけにその関係が破綻してしまう。そんなことも、もはや珍しいことではなく、2019年の婚姻数60万件に対し、離婚数は21万件となりました。ただし、この離婚件数は2019年以前に結婚したすべての夫婦の件数が含まれています。「3組に1組が離婚」という説ではないので、あくまでもその年の数値として認識しておきましょう。なお、婚姻数は2018年から60万件前後で横ばい状態が続いていますが、離婚件数は2000年をピークに徐々に下がり始めています。

内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ(令和3年5月18日)|P2 離婚・再婚の動向①」より転載

また、近年では再婚する人は珍しくなく、2019年における再婚者の割合は男性が19.7%、女性が16.9%となっています。(※3) 子ども連れで再婚する人も多く、ステップファミリーとして新しいタイプの家庭を築く世帯も少なくありません。近頃では、法的な結婚にも性別にもこだわらないカップルも増え始め、家族の形態も自由度が高く多様化しています。

家族の役割で重要なもの

ご承知のように日本では、まだまだ妻が家事や育児の大部分を担っています。男女平等社会を打ち出しているにも関わらず、理想と現実は遠くかけ離れているようです。
ここでは、家族の役割として重要なものをご紹介します。

男女ともに「生活面でお互いに協力して助け合う」がトップ

内閣府が平成25年に発表した「家族と地域における子育てに関する意識調査」では、家族の役割で重要なものとして、男女ともに「生活面でお互いに協力して助け合う」ことがトップになりました。

内閣府「平成25年度家族と地域における子育てに関する意識調査報告書|P13 図表 1-2-1 家族の役割として重要なこと<3MA>(全体・性別)」を基に作図

生活をしていくには最低限、「衣食住」が事足りていなければなりません。食事の支度や後片付け、大量の洗濯物、掃除や片付けなど、家事だけでも山のようにすることがあります。ましてや共働きで働く妻が家事や育児をひとりで担っていたら息つく暇もないでしょう。したがって、夫も家事や育児に協力するなどお互いに協力し合うことが必要です。

なお、回答が2番目に多かった「夫または妻との愛情を育む」に関しては、男性の42.2%に対し、女性は35.4%とやや低い数値になりました。女性も愛情がないわけではありません。ただ、実際のところ、日々の生活に追われて余裕がなくなっていたり、夫が協力的でない場合は諦めていたりするのかもしれません。

ちなみに「経済的に支え合う」は男性が41.4%、女性が27.9%と、男性のほうが一家の大黒柱として経済的に支える意識を強く持っていることがうかがえます。

「家を存続させる」など昔ながらの役割は少数派

お互いに助け合うことや夫婦の愛情を大切にするなど、夫婦間における思いやりなどを重視する一方、「家を存続させる」など家を主体に考える人は少数派です。男性では18.1%が挙げていますが、女性は9.8%と約半分にしか過ぎません。
なお、「親の世話をする」は全体の12.6%で男女ともにほぼ同数です。近年では、昔ながらの「家制度」はなくなりつつあり、家庭によって何を重要とするかはそれぞれ異なります。(※4)

家族関係を良好に保つために必要なもの

家族だからといって、お互いに甘えすぎるのは考えものです。家族が仲良く暮らしていくためには、夫婦で協力しあうことはもちろんのこと、子どもがある程度の年齢ならば、できる範囲で家事にも参加させたいものです。ここでは、家族関係を良好に保つために必要なものについてご紹介します。

お互いに思いやりのこころを持つ

人間関係が上手くいくようにするためには、相手に対して「思いやり」のこころを持つことが大切です。家族であっても相手が自分にしてくれていることを、「当然」と思わないようにしましょう。

日本では依然として妻のほうが育児や家事を担う割合が多いのですが、それを「女性だから当たり前」と思われては困ります。男性並みにバリバリ仕事をしている女性は多く、そのうえで家事や育児をこなす人も少なくありません。それは専業主婦でも同じ。妻が家庭をきちんと守ってくれているからこそ安心して外で働ける夫も多いでしょう。

家族みんなで協力し合う

毎日の家事は果てしなく続くマラソンのようなもので、いつになってもゴールはありません。快適な生活を送るためには最低限の家事は必要ですが、すべて妻に背負わされては重荷になってしまいます。できる範囲でいいので、家族みんなで協力するようにしましょう。
たとえば子どもはお風呂掃除と犬の散歩、夫は庭の草木の手入れやゴミ出しといった具合です。家族で家事をシェアすれば妻の負担も軽くなります。みんなで協力しあうことを心がけましょう。

親しき仲にも礼儀ありを大切にする

家族だからと言って気が緩み、遠慮がなくなってしまうと不和のもとになります。なぜなら、配偶者はもともと他人であり、血を分けた子どもであっても自分とは別の存在であるからです。したがって家族であっても、その関係に甘えず礼儀を重んじるべきと言えます。「家族だから協力して当然」という態度では、そう思われた側はやる気を失ってしまうものです。
「いつも手助けをしてくれてありがとう」という気持ちで感謝されれば、さらにやる気も上がり、家庭内の雰囲気も良好になります。「ありがとう」の言葉を素直に伝えるようにすると、相手からも温かい気持ちを返してもらえるでしょう。

まとめ

親しい仲にある家族だからこそ関係性が悪化すると、思わぬ事件やトラブルを引き起こしかねません。家庭内のことはちょっとしたいざこざから凶悪事件まで毎日のように報道されています。

家族関係は一度こじれると修復するのが難しいものです。大切な家族と楽しい時間を過ごす日々は、人生に大きな喜びをもたらしてくれます。これを機会に家族との関係性について改めて見直してみてはいかがでしょうか。