「シニアカー」とはどのようなもの? 介護保険は使える? 購入やレンタルにかかる費用は?

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シニアカーは車いすというよりかは小型バイクのような見た目ですが、最大速度は6km/h(早歩き程度)と、そう速くはありません。シニアカーを使えば自分の意思で移動できるため、外出の楽しみが増えるといったメリットがあります。

この記事の監修

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道局で社会部記者、経済部記者、CSニュース番組のプロデューサーなどを務める。ライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に幅広い視座からのオピニオンを関連企業に寄稿。
趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。
Twitter:@M6Sayaka

ハンドルがついたスクーターのような乗り物で移動する高齢者の姿を見たことはありませんか。「シニアカー」といって高齢者のちょっとした外出に役立つ移動手段として近年普及しています。自動車運転免許の返納後にも役立つシニアカーは、介護保険を利用してレンタルすることもできます。

この記事では、シニアカーの特徴や普及状況、利用シーンなど、詳しくご紹介します。

シニアカーの特徴

シニアカーは「電動カート」「自操用ハンドル型車いす」とも呼ばれています。
車いすというよりかは小型バイクのような見た目ですが、最大速度は6km/h(早歩き程度)と、そう速くはありません。

電動車いすのなかではこのシニアカーがもっとも多く出荷されています。2020年は新型コロナウイルスの影響からか微減していますが、コロナ前は年々増加傾向にあることが分かります。

電動車いす安全普及協会ウェブサイト「出荷台数の推移」を基に作図

なお、購入あるいはレンタルする人の年代としては、「60歳以上70歳未満」がもっとも多くなっています。

▼ハンドル形電動車いすレンタル・購入者の年代別割合

60歳未満

60歳以上70歳未満

70歳以上80歳未満

80歳以上

2.2%

62.5%

18.7%

16.6%

国土交通省「国内のハンドル形電動車椅子の利用に関する調査|表2−6−2 レンタル・購入者の年代別割合(機種別)」を基に作表

高齢者の利用がもっとも多いとされる「ハンドル形」のシニアカーは、前方に付いたハンドルで進路方向を決め、アクセルレバーで加速・減速するというシンプルな操作性で、免許は不要です。家庭用の電源で充電できる手軽さもポイントです。

一見、取り回しが難しいように感じるかもしれませんが、JIS規格では全長が1.2m以下、幅は70cm以下といった決まりがあります。大きさも下表のとおり、通常の車いすと違いはありません。

▼JIS規格に基づいたハンドル形電動車いすと手動車いすの比較表

電動車いす

手動車いす

全長

1,200mm以下

1,200mm以下

全幅

700mm以下

700mm以下

全高

1,200mm以下

1,200mm以下

国土交通省「国内のハンドル形電動車椅子の利用に関する調査|表2−1−1 電動車椅子に関連する規格の比較」を基に作表

シニアカーの利用範囲

シニアカーは道路交通法上では「歩行者」として扱われます。基本的には歩道を、歩道がなければ車道の右側の路側帯を走らなければなりません。また、スーパーマーケットなどお店の中で利用できる場合もあります。

電車においても国土交通省がガイドラインを定めており、在来線で走っている通勤型車両にもシニアカーのまま乗ることができます。新幹線や特急列車に乗る場合もJIS規格に対応した製品を選べば、問題はないでしょう。

ただ、駅の構造や工事中などの事情から利用できない路線や駅がありますので、事前に調べておきましょう。長距離移動の際には、その電車の車内に車いす対応のトイレがあるかどうかのチェックをしておくと安心です。

介護保険を使ってレンタルも可能

シニアカーは自分で購入することも、レンタルで利用することも可能です。
実際に購入するとなると数十万円がかかりますが、レンタルの場合は介護保険上の「福祉用具貸与」にあたるため、レンタル料金のうち1~2割の負担で済みます。
ただ、中古車も流通しているため、長期にわたって利用するという場合、購入とレンタルのどちらを選択するのがよいのかは検討する余地があるでしょう。

運転時の注意点

シンプルな操作性も魅力のシニアカーですが、道路横断時の乗用車との接触事故や踏切横断時の電車との接触事故、側溝への転落事故で亡くなった方がいるほか、スーパーでの買い物中にベビーカーと衝突し、乗っていた赤ちゃんにケガを負わせてしまうという事故も発生しています。
これらから横断歩道のない道路を渡るのは歩行時と同様の危険があり、踏切やアスファルトが整備されていない農業道路など、地面に凹凸のある場所では十分な注意が必要であることがわかります。坂道の走行時も同様です。また、車体の重さが100kgを超えるシニアカーもあり、人と接触したときには相手に想像以上のダメージを与えてしまうリスクもはらんでいます。加害者になるおそれがあることも十分理解しておきましょう。

自動車免許返納後の移動手段にも

シニアカーを使えば、ひとりでの外出が可能になるため、家族にとっても付き添いが不要になるといったメリットがあります。利用者も人に操作してもらうのとは違い、自分の意思で移動できるため、外出の楽しみが増えます。

近年、高齢者の自動車運転免許の自主返納を促す動きも大きく、自治体によっては免許返納者を対象に、シニアカー購入時の割引や特典などの優遇措置を設けているところもあります。運転免許返納後のちょっとした外出手段として今後ますます普及していくことが考えられます。

また、介護保険をご利用の方、ご家族がご利用されているという方はケアマネジャーさんや自治体に問い合わせ、利用を検討するのもよいかもしれません。

シニアカーについてもっと知りたいという方は、ご自身でさらに調べてみてはいかがでしょうか。