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「高齢者マーク」は何歳から? 付けないと違反になるの? 正しいルールを再確認

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高齢者マークは70歳から個々の条件によっては表示義務があり、なるべく付けて車を運転することが推奨されています。自分はもちろん周囲の人の安全を守る意味でも、70歳になったらぜひ積極的に高齢者マークを付けることをおすすめします。

この記事の監修

渡辺 有美

独身時代は都市銀行に勤務し、その後、結婚と子育てを経て介護の道へ。介護福祉士としてデイサービス・特養・訪問介護の現場で10年以上働いた経験を活かし、高齢者の方々の役に立つ記事を多数執筆しています。

「高齢者マーク」とは、高齢ドライバーが車に付けるステッカーのことで、「もみじマーク」や「シルバーマーク」とも呼ばれています。

街中でもたびたび目にする高齢者マークですが、何歳から付けるのか、付けないと違反になるのか、そもそもなぜ付けるのか。そういったルールや目的に関しては、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

今回は、そろそろ高齢者マークを付けようかと検討している方に向けて、高齢者マークの細かいルールをはじめ、自動車に付ける意味やメリットについて解説していきます。

高齢者マークとは?

高齢者マークは正式名称を「高齢運転者標識」といい、以前使用されていた2色の「もみじマーク」と、現在使用されている4色の「四つ葉マーク」の2種類のデザインがあります。 現在は四つ葉マークが主流ですが、もみじマークも当面のあいだは使用可能とされています。

車に付けるマークというと、「初心者マーク」を思い浮かべる方もいるでしょう。
初心者マークは、対象者が付けなかった場合、道路交通法違反となり反則金が発生しますが、高齢者マークはどうなのでしょうか。

高齢者マークのルールを知りましょう

高齢者マークは何歳から?

警察庁のウェブサイトでは、高齢者マークを付ける対象者について、以下のように説明しています。

自動車免許を受けている人で70歳以上の人は、加齢に伴って生ずる身体機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときには、普通自動車の前面と後面の両方に上記のマーク(編集部注:四つ葉マーク)を付けて運転するように努めなければならない(道路交通法第71条の5第3項等)」

引用:高齢運転者標識を活用しましょう!|警察庁Webサイト

ここで注目したいのは、高齢者マークは70歳以上の運転者全員に高齢者マークを付けることが求められているわけではありません。70歳以上75歳未満の場合は「加齢に伴って生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるとき」のみに高齢者マークを付けることが求められています。 そして75歳以上になると、すべてのドライバーに高齢者マークを付けることが求められています。

高齢者マークの装着位置

高齢者マークを付ける場所は、「車体の前面と後面の両方、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置」とされています。(※)
周囲の人に見えやすいよう、正しい位置にきちんと表示するようにしましょう。車の形によりマグネットタイプの高齢者マークをうまく装着できない場合は、シールタイプを選ぶと、車体にしっかり貼り付けることができます。

高齢者マークを購入するには

高齢者マークは、運転免許試験場や免許更新センター、免許更新指定警察署で販売しているほか、カー用品店やホームセンター、インターネット通販でも購入できます。車体の前後に張り付けるため、2枚購入しましょう。

高齢者マークは何のために付けるのか

高齢者マークを付けなくても違反ではないのに、なぜ付ける必要があるのでしょうか。実は高齢者マークには、高齢ドライバーが安全に走行できるよう、他の車に対しての遵守事項があります。
高齢者マークを表示している車に「側方に幅寄せ」や「割り込み」をすると、道路交通法違反となり処罰の対象になります。行政処分点数1点が課され、さらに以下の反則金が発生します。

車両

大型車(中型車含む)

小型車・二輪車

小型特殊

反則金

7,000円

6,000円

5,000円

危険を避けるためにやむを得ない場合を除き、周囲の車はこのルールにしたがわなければなりません。つまり、高齢者マークを付けることで周囲の車に対して配慮を促すことができるのです。また、本人にとっても高齢者マークを付けることが慎重な運転を心がけるきっかけになるなど、心理面によい作用を及ぼすことも考えられます。
高齢者の車の事故を減らすためには、高齢者マークの表示は非常に有効といえるでしょう。

知っておきたい「高齢者による車の事故」

75歳以上で運転免許を持っている人は、年々増加傾向にあります。平成21年には324万人だったその人数は、令和元年には583万人まで上昇し、今後もますます増えていくことが予想されています。

警察庁「高齢運転者交通事故防止対策に関する調査研究 令和2年3月|図4 75歳以上の運転免許保有者数(各年末日現在)」の情報を基に作図

一方、車の死亡事故のデータによると、75歳以上の人の死亡事故件数は、75歳未満の人の約2.2倍となっています。事故の要因を見ると、75歳以上のドライバーに多いのが「操作不遇」で、ハンドル操作の誤りやブレーキとアクセルの踏み間違えが他の年代よりも目立って多くなっています。

警察庁「高齢運転者交通事故防止対策に関する調査研究 令和2年3月|図3 乗用車・貨物車運転者(第1当事者)の年齢層別の免許人口10万人当たり死亡事故件 数(令和元年中)」「図11 四輪車運転者(第1当事者)の人的要因別死亡事故件数(令和元年中)」の情報を基に作図

車を運転する方なら、事故には至らなくても思わずヒヤリとした経験を持つ方は少なくないでしょう。
若い頃なら素早く対応して事故を未然に防ぐことができたかもしれませんが、年を取るとなかなか同じようにはいきません。ある程度の年齢に達したら、とっさの行動に遅れや間違いが生じるリスクがあることを自覚し、より緊張感をもってハンドルを握る必要があるでしょう。

その点で、周囲の配慮を促してくれる高齢者マークは、危険回避のための有効な手段のひとつといえます。高齢者マークを表示することで周囲の車がより注意深く運転してくれるようになれば、事故を起こすリスクはそれだけ低くなるでしょう。

高齢者マークを付けようか迷ったら

高齢者マークを"年を取った証"のように感じて、自分の車に装着することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、70歳を迎える頃になると誰であれ、視力や聴力が落ちてきたり反射神経が鈍ってきたりと、さまざまな老化現象が現れてくるものです。

運転は細やかな注意力が必要とされ、何かアクシデントが起こればブレーキやハンドルの操作を瞬時に行わなければなりません。判断や操作を誤れば、大きな事故につながってしまうおそれもあります。

運転歴が長い方、運転に自信がある方はとくに、高齢になっても「自分は大丈夫」と思い込みがちなので注意しましょう。車の運転はつねに危険と隣り合わせだということを改めて自覚し、自分の身体能力や反射神経の衰えについて、より厳しい目で客観的に判断していくことが大切です。

高齢者マークを付けるかどうか迷ったら、まずは実際に付けてみて、周囲の反応や自分の意識がどのように変化するのか様子をみてみましょう。
高齢者マークを付けることで「これまでより安心して運転できるようになった」など、何かしらプラスの面があれば、そのまま使用していくのがベストといえるでしょう。

最後に

高齢者マークは70歳から個々の条件によっては表示義務があり、なるべく付けて車を運転することが推奨されています。自分はもちろん周囲の人の安全を守る意味でも、70歳になったらぜひ積極的に高齢者マークを付けることをおすすめします。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

※警視庁「自動車の運転者が表示する標識(マーク)について」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/mark/mark.html