デイサービス(通所介護)とは? サービス内容やメリット・デメリットについて

夫婦・家族

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デイサービスは「通所介護」とも呼ばれ、介護保険が適用される介護サービスのひとつです。施設の規模や要介護の度合いによっても負担費用は異なるため、まずはケアマネジャーに相談しながらお住いの地域にある施設を調べ、見学することから始めてみましょう。

この記事の監修

榎谷 珠里

大手放送局で報道記者、主婦向け情報番組制作担当などを歴任。
退職後はイタリアに渡り、日伊のニュース、季節だより、ライフスタイルや文化の違いなど、欧州情報を中心に発信するフリーライターとして活動中。

要介護と認定された人が日中を介護施設で過ごすデイサービス。その主な目的は、利用者が可能な限り自立した生活を送ることであり、自宅にこもりがちな要介護者が社会に参加し、孤立防止にもつながると期待されています。また、介護を行う家族にとっては、仕事と介護の両立や休息の時間としても重要な役割を果たしています。

今回は、その内容や利用方法を詳しく見ていきましょう。

要介護者の自立を目指すデイサービス

デイサービスは「通所介護」とも呼ばれ、介護保険が適用される介護サービスのひとつです。厚生労働省によると、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減など(※1)が目的とされています。

通常、利用者は送迎サービスによって自宅から介護老人保険施設やデイサービスセンター等の施設に行き、そこで食事や入浴介助等の日常生活支援を受けられるほか、体操等の運動やレクリエーションに参加できます。その内容は音楽(カラオケ)や手芸、書道、将棋等と多岐にわたり、生活機能向上の目的に加え、高齢者同士の交流を図る機会になっています。

デイサービスの対応が可能な施設は、全国に約2万3,600カ所(※2)あり、116万人の要介護者が利用(※3)しています。そのうち8割以上の利用者が要介護区分1~3であることを踏まえると、デイサービスは介護度が比較的軽度の方に多く利用されていると言えるでしょう。
なお、利用者の平均利用回数は月に9回(※4)、1日の平均利用時間は6.5時間(※5)となっています。

▼要介護状態区分別受給者数の割合

厚生労働省「平成30年度 介護給付費等実態統計の概況 結果の概要|3. 居宅サービスの状況」の情報を基に作図

特色のある施設も増えています。たとえば、千葉県浦安市のある施設では、料理、陶芸、温水プール等、200種類もの多彩なメニューが提供されています。こちらの施設の運営目的は、「生活の回復」「生きがいをつかむ人生の回復」。通所者は、施設到着時にその日の予定を自分で決め、それにしたがって行動します。食事もバイキング形式で自由に食べることができ、下膳も自分で行う等、食事も機能訓練の一環としてとらえられています。

利用のための条件や費用は

デイサービスは、要介護認定を受けた人が利用できますが、大前提として介護保険の被保険者であることが必須です。ただし、40歳以上65歳未満の場合は、要介護の状態が初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気(特定疾病)によって生じた場合に限られます。

利用者の費用負担は原則1割(所得や居住地により、最大3割)で、通常規模といわれる7時間以上8時間未満の利用料金は下記の通りです。ここには送迎にかかる費用も含まれていますが、食費やおむつ代といった「日常生活費」は別途必要であり、施設によって料金が設定されています。

▼利用者負担

サービス費用の設定

1回にかかる利用者負担額(1割)

要介護1

645円

要介護2

761円

要介護3

883円

要介護4

1,003円

要介護5

1,124円

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 どんなサービスがあるの? - 通所介護(デイサービス)」の情報を基に作表

費用は施設の規模や利用時間によっても異なるため、施設探しの際に比較することが肝心です。厚生労働省の介護施設検索用ウェブサイトでは、自分の地域に絞って施設の詳細を見られます。

記載項目

内容(一部抜粋)

事業所概要

運営方針、営業時間、延長サービスの有無

サービス内容

サービスの特色、送迎サービスの有無

設備の状況

浴室設備の数

利用料

サービス提供地域外の送迎費用、延長料金、食費、キャンセル料

従業者情報

看護職員や介護職員の数(常勤・非常勤別)

利用者情報

利用定員、要介護度別利用者数

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」介護事業所の目的別検索ページの情報を基に筆者作表

営業時間や定休日の有無も施設ごとに違うので、介護を行う側の生活スタイルにも合わせながら、上記の項目を基に希望の条件を具体的に書き出してみると、探す際の基準となるでしょう。

地域のケアマネジャーにも相談し、気になる施設を絞ったら、利用前に必ず見学に行き、スタッフの対応や雰囲気を見ることも不可欠です。体験ができる場合は活用し、利用者本人の反応をうかがうことも重要となります。

孤立を防ぎ心身に良い効果を

デイサービスを利用するメリットには、どのようなものがあるのでしょう。厚生労働省によると、「友人や地域との関わりが以前より増えた」と答えた人は全体の約半数、「健康や体調が以前より安定するようになった」と答えた人は5割強、そして、「以前より気分が晴れるようになった」と回答した人は6割を超えました。この結果から、デイサービスに通うことによって、心身に良い影響が生まれていることがわかります。さらには、介護をする側にとっても、介護者がデイサービスに出かけることで、仕事や家庭との両立がしやすくなったという利点が見られています。

厚生労働省「通所介護及び療養通所介護 (参考資料)」P31、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(平成 28 年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業)「通所介護等の今後のあり方に関する 調査研究事業 報告書」P5の情報を基に作図

また、送迎の際、職員が在宅で介護している家族の顔も見られることから、その家族の孤立を防ぐ意味でも有意義と言えるでしょう。職員が家の様子をみたり、連絡帳をやり取りしたりすることで在宅介護の異変に気付きやすく、介護支援専門員が訪問して事情を聞くなど、介護者の困りごとや悩みを解決するための窓口ともなりえるのです。

一方、デメリットとして挙げられるのが費用負担です。使用頻度が増え、利用時間が長くなれば、その分費用もかさみます。また、仕事と両立していても、退社時間が要介護者の帰宅時間に間に合わなければ、訪問ヘルパー等で補わなければならないケースもあります。

このほか、デイサービスの利用が要介護者本人の意思に反している場合は、施設との相性や、利用者本人にかかるストレスに配慮する必要が考えられます。

医療的・専門的ケアの通所型サービスも

介護保険法によって位置づけられている通所型サービスには、一般的な「通所介護」(デイサービス)だけでなく、「通所リハビリテーション」(デイケア)「認知症対応型通所介護」「療養通所介護」といった医療寄りの通所介護も含まれます。

デイケアは、老人保健施設や病院、診療所等に通って理学療法、作業療法、その他のリハビリを行い、利用者の心身機能の維持回復を図るサービスです。デイサービスと同じく、食事や入浴などの共通の日常生活上の支援を受けられるほか、要支援の人でも「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能の向上」に関するサービスを組み合わせて受けることができ、要介護状態になることを防ぐ予防効果も期待できます。

通常規模(1カ月の平均利用延べ人数750人以内)のデイサービス施設を利用した場合の費用負担は、以下の通りです。ただし、ここには食費やおむつ代といった、日常生活にかかわる料金は含まれておらず、別途負担する必要があります。

▼デイサービス利用者の介護度別負担額

要支援1・2の認定を受けた人が利用する場合

サービス費用の設定

1カ月当たりの利用者負担額(1割)

共通的サービス

要支援1

1,712円

要支援2

3,615円

選択的サービス

運動器機能向上

225円

栄養改善

150円

口腔機能向上

150円

要介護1~5の認定を受けた人が利用する場合

サービス費用の設定

1回当たりの利用者負担額(1割)

6時間以上7時間未満の利用

要介護1

667円

要介護2

797円

要介護3

924円

要介護4

1,076円

要介護5

1,225円

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 どんなサービスがあるの? -通所リハビリテーション(デイケア)」の情報を基に作表

一方、「認知症対応型通所介護」では、認知症の利用者を対象に専門的なケアが提供され、利用者の容態やペースを踏まえた臨機応変なサービスが受けられます。認知症という進行していく疾患に継続的なかかわりを持ち、将来的なニーズも見据えた支援が特徴です。

また、「療養通所介護」は、常に看護師による観察を必要とする難病をはじめ、認知症、脳血管疾患後遺症といった重度要介護者や、がん末期患者を対象としており、医師や訪問看護ステーションと連携してサービスが提供されています。

要介護者の症状によって適した施設があり、それぞれに規模や費用が設定されているため、ケースに応じて探してみてください。

まとめ

デイサービスは要介護者や介護をする側の家族等が孤立しないためにも、双方にとって有効であり、要介護者が自立を目指しながら有意義な時間を過ごせるサービスです。施設の規模や要介護の度合いによっても負担費用は異なるため、まずはケアマネジャーに相談しながらお住いの地域にある施設を調べ、見学することから始めてみましょう。

※1 厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 どんなサービスがあるの? - 通所介護(デイサービス)」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html

※2 厚生労働省「平成 29年 介護サービス施設・事業所調査の概況」P3
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service17/dl/gaikyo.pdf

※3 厚生労働省「平成30年度 介護給付費等実態統計の概況」結果の概要3. 居宅サービスの状況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/18/dl/04.pdf

※4 厚生労働省「平成 29年 介護サービス施設・事業所調査の概況」P9
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service17/dl/gaikyo.pdf

※5 厚生労働省「通所介護及び療養通所介護 (参考資料)」P32
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf

※6 厚生労働省「通所介護及び療養通所介護 (参考資料)」P37
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf