「実家の片付け」7

片付け順3 キッチンはストック品や調理器具などの数を減らしましょう

夫婦のこれから

実家の片付けをスムーズに進める“片付けの法則”があります

【執筆・監修】渡部亜矢(わたなべあや)

机の上に広告や新聞が山積みに...、棚の扉を開けたら中にはストック品がいっぱい...帰省した時に実家の様子に驚いた経験はありませんか? それぞれの場所はどうしたら効率よく片づけられるのでしょう。
実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さんによると、親の思い入れの少ない場所から手を付けると片づけやすいといいます。その一例が以下になります。
片付け順1、2では①~⑤の片付け方を教えていただきました。防災を理由に片付けに着手しやすい①②、そして親の安全を確保するための③~⑤を終えたら、次はキッチンやリビングなど片付けに入ります。部屋の各所の上手な片付け方についてお話を伺いました。

・片付け順の一例

1. 外玄関・庭・内玄関
2. 廊下、階段、トイレ
3. 低いところ(各部屋の床)
4. 高いところ(食器棚やタンスの上など)
5. 健康に関するもの

6. キッチン
7. リビング

8. 寝室
9. クローゼット、押し入れ、納戸
10.書斎・趣味の部屋
11.書類・貴重品
12.思い出の品

※例えば......「1外玄関・庭・内玄関」に思い出の品が置いてある場合は、最後に改めて考えましょう。

今回は、「キッチン」と「リビング」の方付けのポイントを紹介いたします。

外回りや動線を中心とした床置きの片付けが済んだら、いよいよ各部屋の片付けに入ります。片付ける際は「3の法則(いる・いらない・一時保管)」や「わく枠大作戦」を活用してみてください。

まずは親の健康にかかわる食品を扱うキッチンから始めましょう。特に母親にとっては、キッチンは自分の城のようなもの。家族の健康を気遣いながら料理を作って多くの時間を過ごし、自信の使い勝手の良いように物が配置されています。だからむやみに物を移動させるのではなく、親のこれまでの習慣を尊重した物の配置を維持して進めましょう。

キッチン

【Point】
  • 水まわりをきれいにする。
  • 賞味期限切れの食品を処分する。
  • 調理器具や食器はむやみに移動させない。

水まわり

疲れがたまるとシンクの周りに物を置きっぱなしにし、洗い物もたまりがちです。でも水まわりが散らかっていると料理のやる気も起きなくなってしまいます。まずは水まわりから手を付けてみてはいかがでしょう。スペースが限られているので片づけた成果が目に見えやすいく、気持ちがすっきりします。蛇口をファイバークロスで磨くとさらに見た目がきれいになります。

食品のストック類

水まわりをきれいにしたら、食品のストック類のチェック、調理器具や食器の整理、の順に進めるのがおすすめです。なぜならストック類は賞味期限切れのものをたくさんため込んでいる方が多いからです。高度成長期を過ごした親世代にとっては、物がたくさんあることに安心する傾向があるため、買いだめをしがちです。ストックがあることを忘れて、セールだからと新たに買い足してしまったって、結局賞味期限が切れてしまう......またパッケージの印字が小さいために見えづらく、賞味期限が切れていることに気づいていないケースもあります。食品は缶詰や袋麺、調味料などのストック品の賞味期限のチェックから始めましょう。
2人暮らしなのに安いからとファミリーサイズの調味料を買って使い切れないというケースもあり、そういった場合は結果的に使いきれるサイズのほうが経済的だと親に進めてみましょう。

そして親世代には"冷蔵庫信仰"とも言えるものがあります。冷蔵庫になんでも入れてしまい、また冷蔵庫に入れて置けば腐らないと過信してしまっているケースです。冷蔵や冷凍庫に補完していても賞味期限切れは訪れるので、冷蔵庫や冷凍庫の中こそ賞味期限をチェックしてください。「冷蔵庫の中は詰め込みすぎないほうが冷える効果が高くなるのよ」と伝え、中に入っているものが見えるくらいの量にとどめるようにしましょう。
中に入っているものが少なくなると、その後の掃除もラクになります。定期的に拭き掃除をするなどして除菌しましょう。

調理器具の整理

それが終わったら調理器具の整理に移ります。
この辺りから親が思い入れのあるものが増え、片付けの難易度が上がります。
キッチンは長年の使い勝手でできあがった主の城のような場所です。子どもが、「この場所にフライパンを置いているのは使いづらいだろう」と思っても、親にとってはそれが最適な配置だったりします。むやみに変えると逆に使いづらくなってせっかく片付けても元に戻ってしまったり、逆に散らかってしまうことがあります。そのためむやみに場所を変えるのではなく、数を減らすことを考えましょう。

例えば、2人暮らしや1人暮らしに不向きな大きなフライパンや鍋、重い調理器具はありませんか? 親にとって使いづらいものを処分の対象にしましょう。
また、場所は移動しないようにとお伝えしましたが、身に危険が迫る可能性がある場合は、危険を取り除くことを優先してください。
あるお宅では吊り棚の上にたくさんの鍋やフライパンが置いてあり、吊り棚自体が落ちそうになっていました。そして流しの下の棚にはアルミホイルなど軽いものが置かれていました。でもこれだと重い物が頭上にあってとても危険です。このような場合は重いものを流しの下の収納へ、軽いものを頭上の吊り棚へと移動させましょう。

食器は子どもたちが一緒に暮らしていたころの数のままである場合があります。食器は今暮らしている人の人数に合わせましょう。適正な数は"今暮らしている人の人数+帰省する家族の人数"です。普段使う食器を食器棚の一番使いやすい場所に収納し、帰省する家族用のものなど使用頻度の低いものをできるだけ高くない場所にしまいましょう。
また高価な食器や思い出のあるものは食器棚の奥にしまい込み、安価な食器を普段使いにしている人も多いです。そういう場合は、これまで普段使いにしていた食器を処分して、大切な物こそ使うことを親にすすめてみましょう。

少しずつ家の深部へと片付けを進めることで、親は片付けること、物を捨てることにだんだん慣れることができます。「こんなものもう使わないでしょ!」と親の価値観を否定したり、親の承諾を得ずこの勝手な判断で物を捨てたりすると親子ゲンカに発展してしまうので、親の気持ちを尊重しながら片付けを進めましょう。

執筆・監修

渡部亜矢(わたなべあや)

(一社)実家片づけ整理協会 代表理事  実家片づけアドバイザー® 片づけ講師

少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー®」認定講座、人生100年ライフの片づけ整理術、親子で取り組む生前整理、出張片付けサービスなどを展開し、雑誌やテレビ、ラジオでも活躍。遺品整理士の資格も持つ。2019年には、片付けに悩む人々をつなげるサロン「自宅と実家のオンラインサロン」開設。著書に「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~」(SBクリエイティブ)、「「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)など多数。

(一社)実家片づけ整理協会