これからの暮らしが豊かになる、50代からの"終活"のススメ

夫婦のこれから

終活は、自分自身が後悔しないための活動

【監修】櫻木よしこ

"終活"という言葉から何を想像しますか?
"終活"は60代以上のシニア世代のものと考える人が少なくありません。ですので、自分がその年齢になってから手をつければいいと思っている人が多いのが現状です。もちろん、それでよい人もいるでしょう。しかし、もっと早く、たとえば50代のうちから終活を始めるというのはどうでしょう? それを判断するためにも、まずは "終活"を知るところから始めてみませんか。

終活はまだ自分には必要ないことだと思ってはいませんか?

ひと昔前は、家族や親戚も同じエリアに住み、隣近所とも親しいおつきあいがある時代でした。そのエリアで起こる冠婚葬祭などは、親戚やご近所が寄り集まり、一致団結して協力していたものです。しかし、今はそういう時代ではなく、自分たちのことは自分たちで!という風潮です。「自分の人生の最期を考えるなんて縁起でもない」と、見て見ぬふりをしていられる時代ではなくなってきています。

"終活"は今から自分の最期までの人生設計と考えてください

いざ終活という言葉を見聞きすると、皆さんの頭に浮かぶのは、お墓のこと、告別式のことを決めて準備をする、遺産相続や生前整理について考える、というような人生の終焉(しゅうえん)に関係あることばかりが大半ではないでしょうか?
終活とは、人生の"最期"だけを見据えて、いろいろと準備することだけではなく、自分がやりたいと思っていることも実現する! という準備も含まれます。たとえば、興味を持っていた習い事にトライする、会いたい人に会う、友人や家族と旅行をする、というような自分がイキイキと元気に過ごせることも終活に当てはまるのです。

終活をすることは自分と向き合うことです。今から亡くなるまでの間を具体的に想像すると、やるべきこと、やりたいことが見えてきます。そういう意味では、後悔しない人生設計をすることにも似ているといえるでしょう。

50歳前後から終活を始めることは、長い目で見ると意義のあること

ここで、終活の概要を簡単に説明しておきましょう。

  1. 医療・介護について
    病気をしたり、認知症や寝たきりになったりしたときに、どういう介護を望むか、自宅で過ごしたいのか施設への入所も考えているかなど。また、延命治療を希望するのかしないのか、これら自分の意思を家族に伝えているか。
  2. 財産・所有物について
    預貯金・不動産・証券・クレジットカードなどをどうするか。また、遺産分配についてトラブルが起きないための遺言書の作成等。さらには、身の回りの品の整理処分。
  3. 葬儀やお墓について
    自分が希望する葬儀や葬送の方法について考える、お墓をどうするか。その自分の意思を家族に伝えているか。それらにまつわる金銭的用意。親戚関係について伝えるべきものはないか。
  4. 想い出作りやメッセージについて
    小さい頃にできなかったことや家族・友人との旅行を楽しむといった、やりたいことの実現、アルバム・日記・手紙などの整理処分。大切な人へメッセージを書き残す。

上に挙げたすべてをやってはいなくても、たとえばすでにお墓について情報収集をしている、延命治療や延命措置について考え、自分の意思を家族に伝えているなど、端的なことを50代で始めている方は増えてきています。
また、前述した終活の概要を見ていただくとわかるように、シニア世代になってから終活に取り組むよりも、50歳前後から終活に取り組み始めるほうが、さまざまな準備をする時間的余裕が持て、やりたいことをひとつでも多く叶えられる可能性があるという意味においても、意義あることだと理解していただけるのではないでしょうか。
シニアになってから考えるのではなく、今の自分ならどう考えるか、どう判断するかなど、今すぐに答えを出せるものも少なくありません。となると、終活の準備は今から始めることができるのです。

50歳前後からの終活は、親の終活にも目を向けるきっかけになる

さらに50歳前後から終活を始めることは、自分ごとだけでなく70代以上の高齢の自分の親の終活にも具体的に目を向けるきっかけにもなります。「親にも終活をしてほしい」と望む声は多いですが、思うだけでなかなか実行に移せないという人たちがかなり多いのが現状です。自分が先に終活に取り組んでみると、子どもの立場として親からどういう情報を聞いておけばいいのか、親の亡き後、残された自分たちにとって必須となる情報が何なのかがわかります。

終活とは、自分自身が後悔しないための活動とも言えます。自分から家族へ自分の意思やモノ・コトの引継ぎ、そしてやりたいことをひとつでも多く実現して、人生を終わらせる。そうすると後悔少なく人生を終わらせることができます。
今はまだ何が後悔になるのかわからないという方は、ぜひ早いうちから終活に取り組んでみませんか? 今まで見過ごしていた、やらなければならないこと、やりたかったことが少しずつ見えてくるはずです。

監修

櫻木よしこ

上級終活カウンセラー、エンディングノートの書き方セミナー講師 (社)終活カウンセラー協会認定資格)

“終活への案内人”として、「40代から書き始めるエンディングノート」「親子で考えたい終活」「私の終活入門」というテーマをメインに、地方自治体や各種団体、新聞社、葬儀社からの依頼による講演・執筆活動を展開している。また、編集者、起業ビギナーブランディングコンサルタントとして、各地で講座や個別相談会も開催。

http://sakuragiyoshiko.com/