定年後は何して過ごす? シニアに人気の習い事を大調査

夫婦のこれから

定年退職後の夫婦の楽しみになりうる、習い事にフォーカスをあてます。

【監修】清水 沙矢香

定年後の生活の中で、夫婦はどんなことを楽しみにしているのでしょう。
仕事をしていた時とは、夫も妻も時間の使い方が大きく異なるため、何をしていいのか分からないと迷う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本コラムでは、定年退職後の夫婦の楽しみになりうる、習い事にフォーカスをあてます。一足先にシニアライフを送る"先輩シニア"は、どんな習い事を楽しんでいるのでしょう。

時間割を作ってみましょう

まずは、定年後の生活を想像してみましょう。おすすめは、「仕事をしなくなった自分の1日」を、円グラフに書いてみることです。何時から何時までは何をして過ごす、というざっくりしたもので結構です。すると、いま忙しく働いている人ほど、この24時間の円グラフを埋めるのが思った以上に難しい作業になります。
睡眠を8時間、食事と入浴の時間を合わせて2時間、犬の散歩やウォーキングなどの時間を1時間くらい見積もっても12時間くらいは丸ごと残り、これを持て余してしまう人が少なくありません。それくらい、老後には自分の自由に使える時間が増えるのです。

仕事? 旅行? 子ども? 定年後の夫と妻の人生に関する調査

さて、シニア層は、いま何を楽しみつつ、今後どんなことをしたいと考えているのでしょう? ソニー生命が2018年に行った調査をご紹介します。
まず、現段階で「楽しみにしていること」は、男女ともに「旅行」が首位でした。

ソニー生命「シニア生活意識調査2018」を基に作図

また、65歳以降も「仕事をしたい」と考えている人が、男女とも約3割いることが分かっています。

ソニー生命「シニア生活意識調査2018」を基に作図

そして、3割以上の人が、「何かを学習したい」と意欲を持っています。

ソニー生命「シニア生活意識調査2018」を基に作図

学び直しをしたい内容として、「語学」「歴史」「パソコン・インターネット」「音楽」を挙げる人が多いようです。なかでも男性に人気なのが「歴史」や「プログラミング」。一方、女性に人気なのが「健康」や「料理」「伝統芸能(華道・茶道・書道など)」です。男女ではっきりとした違いがある点は興味深いですね。

人気の習い事と費用

前章では、これから習い事を始めたい人の声をお届けしましたが、実際のところ、シニア層にはどんな習い事が人気なのでしょう。株式会社リクルートマーケティングパートナーズが行った調査「ケイコとマナブ 2017年 人気おケイコランキング」(※1)からご紹介します。
50~69歳男女それぞれの「実施した習い事」のベスト5は以下のとおりです。

英語は、男女問わず人気です。その理由として、「海外旅行を楽しみたい」を挙げる人は男女共通して多く、また、「旅行や観光で訪れる外国人の応対やボランティアのため」と答える人も、この年代は多いようです。

続いて、習い事にかけられる金額を見てみましょう。
『趣味目的の習い事にかけられる金額』を、「気軽に始められる金額」「しっかり考えて決める金額」に分けて聞いたところ、それぞれ以下の結果になりました。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ケイコとマナブ 年齢帯別 学び事・習い事実態調査」年齢帯別比較 学び事・習い事の予算のグラフを基に作図

「気軽に始められる金額」は、男女ともに5千円台ですが、「しっかり考えて決める金額」は、男性が約1万500円、女性が約9,500円と、千円ほどの開きが見られます。

また、『仕事や資格取得の目的のためにかけられる金額』に関する設問で、50~64歳男性が「気軽にかけられる金額」として挙げた金額は、1万9578円(※2)でした。これは全年代で最も高く、「定年を前に、第二の人生で仕事を続けるための投資にはある程度お金がかかる」と認識しているのではないか、と見られています。

生きがいとしての地域活動

お金をかけたくない人、新しい環境や新しい輪に飛び込むことをためらう人は、ボランティア活動や地域の活動に目を向けてみてはいかがでしょうか。
内閣府の調査(※2)によると、60歳以上の26.5%が「自治会、町内会などの活動」に、17.5%が「趣味やスポーツを通じたボランティアや社会奉仕などの活動」に参加しているようです。

内閣府「令和元年版高齢社会白書(全体版)」第3節 <特集>高齢者の住宅と生活環境に関する意識 図1-3-8を基に作図

このような社会的活動を通して得られるものとして、「新しい友人」「地域に安心して生活するためのつながり」を挙げる人は半数以上に上ります(※3)。地域活動は、今後も同じ地域に安心して住み続けるためのコミュニケーション手段や、生きがいのひとつになっているようです。

定年後の人生。趣味は生きがいになります

退職がそう遠くない将来として見えてきたら、「どんな1日を過ごしていたいのか」「どんな1年を重ねていきたいのか」を具体的に考えると、この先より豊かな生活を送ることができるでしょう。そのひとつの手段として趣味を楽しむことは、健康な生活を長く送るための良い習慣にもなりそうです。

「夫婦一緒に過ごす時間が長すぎて、息がつまる」と、つい愚痴をこぼしてしまう熟年夫婦も多い時代、夫婦別々にそれぞれの趣味を楽しむ時間、同じ趣味を楽しむ時間というように変化のある日々を送ることは、夫婦円満の秘訣にもなるはずです。そんな趣味を見つけるために習い事に目を向けることは、これから始まるシニアライフの充実につながるはずです。

※1 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ケイコとマナブ 2017年 人気おケイコランキング」(2018年2月)
http://www.recruit-mp.co.jp/news/20180221_01.pdf

※2 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ケイコとマナブ 年齢帯別 学び事・習い事実態調査」
http://www.recruit-mp.co.jp/news/library/pdf/20170330_01.pdf

※3 内閣府「令和元年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向 3.学習・社会参加
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/01pdf_index.html

監修

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後、大手放送局に主に記者として勤務。2017年退職後、Webライターとして、経済を中心とした取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。
趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。