50代夫婦にオススメの旅行と楽しみ方

夫婦のこれから

子育て後の世代に人気の旅行とはどんなものかを紹介します。

【監修】清水 沙矢香

子育ても一段落したところで、2人で旅行を楽しみたいという夫婦は少なくありません。そのような時、どんな場所に出かけ、どんな楽しみ方をする人が多いのでしょう。
この記事では、子育て後の世代に人気の旅行とはどんなものかを紹介します。旅行をすることで、老後の2人を占うかのような出来事に遭遇できるかもしれません。

夫婦2人での旅行は、50代以降で増加

じゃらんリサーチセンターが行った「宿泊旅行調査2018」」調査(※1)によると、宿泊旅行の同行者が「夫婦ふたり」の割合は、以下のようになっています。

20~34歳 男性9.7% 女性14.3%
35~49歳 男性12.4% 女性19.2%
50~79歳 男性35.5% 女性35.8%

子育て世代では子ども連れや親連れの旅行が多い傾向にあり、やはり50代を過ぎるあたりから夫婦2人水入らず、という旅行に変わっているようです。
また、日本交通公社の調査「旅行年報2019 日本人の旅行に対する意識」によると、旅行の目的は、50代では男女ともに「日常生活から解放されるため」「旅先のおいしいものを求めて」がいずれも上位にあがっています。

性・年代別 旅行の動機(複数回答)

男性50代

 

旅行の動機

%

1位

日常生活から解放されるため

64.6

2位

旅先のおいしいものを求めて

59.2

3位

家族の親睦のため

50.8

4位

保養、休養のため

45.4

5位

思い出をつくるため

43.1


女性50代

 

旅行の動機

%

1位

日常生活から解放されるため

73.3

2位

旅先のおいしいものを求めて

72.3

3位

思い出をつくるため

55.4

4位

保養、休養のため

52.5

5位

家族の親睦のため

47.5

出典:日本交通公社「旅行年報2019 日本人の旅行に対する意識」P64「表Ⅰ-4-6 性・年代別 旅行の動機(複数回答)」

なお、旅先で実際にしたいことは、50代男女でそれぞれ以下のようになっています。

男性50代

 

旅先で実際にしたいこと

%

1位

自然観光

50.8

2位

温泉旅行

46.9

3位

歴史・文化観光

43.1

4位

グルメ

36.9

5位

海浜リゾート

30.8


女性50代

 

旅行の動機

%

1位

温泉旅行

56.4

2位

グルメ

52.5

3位

歴史・文化観光

50.5

4位

自然観光

43.6

5位

テーマパーク

35.6

日本交通公社「旅行年報2019 日本人の旅行に対する意識」P59「表Ⅰ-4-3 性・年代別 行ってみたい旅行タイプ(複数回答)」

男女の共通点として、「温泉旅行」「自然観光」「グルメ」の項目があがっています。
温泉宿を起点に周囲の名所を巡る。そんなのんびりした旅行の様子が浮かびます。

夫婦旅行の人気はどのエリア?

それでは、子育て後の夫婦旅行で人気の行き先をみていきましょう。
日本交通公社の国内旅行に関する調査(※2)では、各都道府県にどんなライフステージの旅行者が多いのか、その結果が紹介されています。子育て後の夫婦が、他の旅行者よりも多く訪れる地域は大きく4カ所あるようです。

まずは北陸地方。なかでも富山、福井が人気です。また、鳥取・島根といった山陰地方も他の世代に比べ、子育て後夫婦の旅行者が多く訪れています。
山陰や四国は、東日本側など遠方に住む人の場合、「なかなか足を運ぶ機会がなかった」と答えることの多い地域です。子育てが一段落するなど生活が落ち着いたからこそ出かけられる場所なのかもしれません。子ども連れとは違い、自分たちだけで行き先を決められるのも、夫婦旅行のまた良いところでしょう。

夫婦旅行で「円満度」がアップする?

さて、ここにおもしろいアンケートがあります。
旅行サイト「エアトリ」が2017年に「夫婦旅行」をテーマに、23歳から77歳という幅広い層を対象に行ったものです。その項目のうちのひとつが、「夫婦旅行で相手を『惚れ直した』ことはありますか?」という質問です。対する回答は、どんなものだったのでしょう。

旅行サイト「エアトリ」 「旅行に関するアンケート結果報告Vol.025 旅行に行く回数の多い夫婦ほど夫婦円満度が高いことが明らかに」(2017年)

「ある」と答えた人は、男性の約27%、女性の約37%にのぼっています。
「これって若い人の話でしょう」と思うかもしれませんが、この調査結果では、子育て後世代の"惚れ直したエピソード"が具体的に紹介されています(※4)。ちょっと見てみましょう。

  • 子供が居ないと自然と私優先になり昔の優しい旦那様を思い出した。(46歳女性)
  • 知らない道を一生懸命、目的地を探して歩く主人の広い肩を見て、頼もしいなぁと思った。(62歳女性)
  • 素直な笑顔が良かった。結婚する前に付き合っていた頃を思い出しました。(61歳男性)"

いかがでしょうか。子育てが一段落して、お互いに気配りできる時間や余裕を持てるようになったことを、"旅行という非日常"を通して実感しているのかもしれません。子ども連れではなく、2人になってからこその新たな発見があるようです。
自宅という、いつもの空間では何かと相手の気になる部分が見えることもあるでしょう。別の世界に出かけるというのは、夫婦仲を見つめ直すうえでやはり重要なことだと思われます。

ちなみに、先ほどの「エアトリ」の調査には、「夫婦旅行で相手に『幻滅』したことはありますか?」という問いもあります。「ある」と答えた男性は10.3%、女性にいたっては33.2%がそう答えています。その理由は、男女ともに多くが「相手のわがまま」「金銭感覚の違い」「人任せなところ」を挙げています。なかでも、「思い通りに行かない」「待ち時間が長い」等の理由から機嫌を損ねる男性に対し、「幻滅した」と答える女性が多いようです。
これは「惚れ直した」とは真反対の感情です。
せっかくの旅行がそんな印象のまま終えてしまうと、自宅に帰った後もついそんな空気を引きずってしまいそうですよね。こうなってしまうと、「子どもが自立したあと、共に過ごす時間」そのものについて話し合う必要がありそうです。そういった意味では、2人で楽しく旅行できるかどうかは、その後のふたりの生活の様子をうかがうバロメーターになるのかもしれません。

「しっかりと歩けるうちに」海外旅行も

50代夫婦2人の旅先として、海外もまた人気です。
日本交通公社の調査(※3)によると、子育て後の夫婦が出かける海外旅行先は、ドイツ、イタリアを中心にしたヨーロッパ方面が多いようです。また、50代の夫婦が海外旅行にそれまで「あまり行っていない」理由の中には、「なんとなく旅行をしないままに過ぎた」というものもあります。それは、とてももったいない話ですよね。
近年は、航空券を安く提供する航空会社が増え、一昔前と比べて海外旅行はグッと身近になりました。「いきなり遠い国はちょっと......」と思う方は、台湾や東南アジア、グアム、サイパンなど、安・近・短で出かけられる近場への旅から始めてみてはいかがでしょうか。

また、海外旅行は、60代、70代と年齢が高くなるにつれ減っていく傾向にあります。
自分の足でしっかり歩ける元気なうちに、遠くまで旅に出かけるのは、一生の思い出になることでしょう。

国内海外のいずれにしろ、夫婦がそろって普段の生活から離れ、同じところに出かけ、同じものを見て、食べて、感じることは、絆をいっそう深めるステキな時間になるはずです。

※1 じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査2019」
https://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/travel/nw28150_20190709

※2 日本交通公社「旅行年報2019 日本人の国内旅行 P18.表Ⅰ-2-5 旅行先別のマーケットセグメント(同行者×ライフステージ)」
https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/10/nenpo2019_1-2.pdf

※3 日本交通公社「旅行年報 2019 日本人の海外旅行」P41.表Ⅰ-3-5 旅行先別のマーケットセグメント(同行者×ライフステージ)
https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/10/nenpo2019_1-3.pdf

監修

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後、大手放送局に主に記者として勤務。2017年退職後、Webライターとして、経済を中心とした取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。
趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。