湿気による、うねり髪やペタンコ髪のお悩み解決法

身体のこれから

湿気があってもキレイな髪をキープする方法があります。湿気がいつもと違うおしゃれにチャレンジするきっかけになったとしたら、憂うつなこの季節も軽やかに過ごせそうですね。

【監修】三島ミコ

湿気の多い季節になると増えるのが、「ヘアスタイルが決まらない」というお悩みです。
ジメジメとした梅雨から蒸し暑い夏の時期には、髪がうねったりペタンコになったり......。なかなかコントロールは難しく、憂うつな気分になってしまいます。しかし、「湿気でヘアスタイルが崩れるメカニズム」を知っていれば、理にかなった対策が可能です。

今回は、湿気が髪に与える影響と、その解決法をご紹介します。

湿度が高い日の髪の毛には何が起きている?

「乾燥した冬と、湿気の多い梅雨では、まるで別人のように髪質が変わる」という方もいます。そのとき、髪には何が起きているのでしょうか。まずはそのメカニズムから紐解いていきましょう。

湿気と髪の毛の関係を理解するために、最初に押さえておきたいのが「髪の毛の基本構造」です。 髪の毛は、大きく分けて「キューティクル(外側)」「コルテックス(中間)」「メデュラ(中心)」の3つから成り立っています。このうち、湿気と髪の関係のカギを握るのが、「キューティクル」と「コルテックス」です。

キューティクルとは?

キューティクルは髪の一番外側に位置し、髪を守る働きをしています。キューティクルの表面を覆っているのは「脂質(油分)」です。健康的な髪はツヤツヤと美しく見えるものですが、この"ツヤの素"がキューティクルを覆う脂質になります。

コルテックスとは?

コルテックスは髪の内部に存在し、髪のおよそ8〜9割以上を占めています。髪の太さや硬さ、強さなどは、コルテックスの状態によって決まります。なお、コルテックスは、通常10%強の水分を含んでおり、この水分量によっても髪質が左右されます。

湿度の高い環境では、髪の毛は水分を吸収します。このとき、前述のキューティクルとコルテックスがどんな状態にあるかによって、吸収量に違いが出ます。

キューティクルと湿気

まず、キューティクルが健康な髪と、健康ではない(傷んでいる)髪の違いを見てみましょう。

先ほど、「キューティクルの表面は脂質で覆われている」とお伝えしました。キューティクルがきっちり詰まった健康な髪であれば、キューティクルの脂質が水分をはじくため、湿気の影響を受けにくくなります。しかし、キューティクルがダメージを受けていると、すき間から内部へと水分が侵入しやすくなります。キューティクルが傷んでいる髪ほど、湿気の影響を受けやすいといえるのです。

コルテックスと湿気

コルテックスは、水分量が低下していると、湿気を吸い込みやすくなります。たとえば、水を含んでいるスポンジは水を吸わないのに対し、乾いたスポンジは水をぐんぐん吸収します。これと同じように、乾いたコルテックスは、どんどん水分を吸収しようとするのです。
湿気の影響を受けにくいコルテックスにするためには、あらかじめ十分な水分を蓄えておくことが必要になります。

ダメージ具合によって湿気の影響がいびつになる

キューティクルとコルテックスの状態は、髪の部位によって異なることも知っておきましょう。
傷みがひどい部分もあれば、乾燥が激しい部分もある。その結果、部位によって湿気の影響がいびつになります。すると、ヘアスタイルが整わずにボサボサになってしまうというわけです。

湿気があってもキレイな髪をキープする7つの対策

湿気と髪の毛の関係性がわかったところで、ここからは具体的な解決方法を7つ、ご紹介します。

1.髪の内側に水分をたっぷり蓄える

まずは、髪の内側に水分をたっぷり蓄えておくことです。髪の毛が「これ以上、水分は吸収できない」という状態を目指して、しっかりうるおい補給しましょう。
シャンプー・リンスを高保湿タイプに変えたり、ドライヤーで乾かす前にアウトバストリートメントを追加したりして、念入りに保湿します。

特に乾燥がひどい場合には、美容室でうるおいアップのトリートメントをするのがおすすめです。担当の美容師さんに相談してみましょう。

2.髪の外側をしっかりコーティングする

髪の内側をしっかりうるおしたら、次は外側のコーティングです。これは本来、キューティクルが担う役割ですが、キューティクルが傷んで剥がれている場合には、人工的にサポートする必要があります。 最もシンプルな方法は、油分を補給すること。髪の表面にオイルの膜を張って、湿気から髪の毛を守ります。

具体的には、「ヘアオイル」として市販されているアイテムを使いましょう。髪全体をまんべんなくコーティングできるよう、ムラなく全体にのばして塗布するのがコツです。

3.ドライヤーの冷風+ブラッシングで水分を飛ばす

髪の内部にはうるおいが必要ですが、シャンプー後に表面に残った水分はしっかり飛ばしておく必要があります。余分な水分が残っていると、それだけで髪周辺の湿度が高くなってしまうからです。ただし、しっかり乾かしたいからと、ドライヤーの温風を当て続けるのはNG。キューティクルにダメージを与えてしまいます。
温風で8割程度まで乾かしたら、その後はドライヤーを「冷風モード」に切り替えて仕上げましょう。さらに、髪全体をブラッシングすれば、髪に残っている水分の偏りを全体にならすことができます。

4.ヘアスプレーで形をキープする

朝のヘアスタイルを長時間キープしたいとき、頼りになるのが「ヘアスプレー」です。
「ヘアスプレーは、ゴワゴワするから嫌」「仕上がりが不自然であまり好きじゃない」とおっしゃる方もいるのですが、よかったら最近のヘアスプレーを試してみてください。驚くほど軽やかに、自然にキープできるスプレーが多数開発されています。ヘアスプレーに対するイメージが変わるかもしれません。

よりナチュラルに仕上げるためには、一カ所に集中的にスプレーするのではなく、髪全体にフワッとスプレーするのがコツです。スプレーで固めている感じはしないのに、ヘアスタイルが長持ちします。

5.お直しアイテムを携帯する

しっかり対策しても、雨が降ったり汗ばんだり、ヘアスタイルが崩れるのもやむを得ないシーンがあるかもしれません。そんなとき、これらの"お直しアイテム"があれば、簡単にリカバリーできます。ポーチに忍ばせておけば、安心です。

▼ おすすめのお直しアイテム

  1. コードレスのヘアアイロン
  2. ヘアオイル(ミニサイズ)
  3. ヘアスプレー(ミニサイズ)
  4. くし

特に、外出先で髪の湿気を飛ばすためには「コードレスのヘアアイロン」があると便利です。充電式の携帯用ヘアアイロンが発売されています。ただし、へアアイロンの使いすぎは、髪を傷める原因になるため注意が必要です。ヘアアイロンを使うのは、どうしてもセットし直す必要があるときに限定しましょう。設定温度は高温にせず、低温(120度以下)にすると、ダメージを軽減できます。

6.ヘアアクセサリを取り入れる

「ヘアスタイルの崩れを目立たせない」という意味では、ヘアアクセサリは大変有効です。たとえば、おしゃれと湿気対策の両方を両立できるヘアアクセサリとして、幅広の布地でできたカチューシャやヘアターバンがあります。

パリジェンヌの定番ともいえるアイテムですが、近年では、大人女性のおしゃれアイテムとしても注目されています。パリ出身のエッセイスト、フランソワーズ・モレシャンさんは現在80代ですが、ターバンをエレガントにアレンジされているのが印象的です。

7.頭皮ケアで健康な髪を育む

最後にご紹介するのは、根本にかかわる解決方法です。おさらいになりますが、「水分をたっぷり蓄えるコルテックス」「髪を守るキューティクル」。この2つがあれば、髪は湿気に強くなります。

健康なコルテックスとキューティクルを育む"土台"となるのが「頭皮」です。ぜひ、頭皮の健康にも気を配っていきましょう。

すぐ実践したい方法としては、スカルプケア効果のあるシャンプーを使い、頭皮の余分な汚れをしっかり落とすこと。そのうえで「頭皮のマッサージ」を行うと、頭皮の血行が促進され、元気な髪が育ちやすくなります。
市販の「スカルプブラシ」を使えば、テクニックいらずで頭皮のマッサージが可能です。顔にコロコロと転がす「フェイスローラー」をお持ちの方は、顔のマッサージのついでに、頭皮までコロコロとマッサージしてあげてもいいですね。頭皮も皮膚の一種です。顔と同じようにケアしてあげる意識を持ちましょう。

湿気をうまく味方にするために

湿気で髪の毛が乱れると、「湿気は本当にイヤ」なんて思ってしまうかもしれません。ですが、湿気の多い季節は、髪の毛にとってマイナスばかりではありません。カラカラに乾いた冬の季節に比べると、ダメージは進みにくくなっています。湿気対策を行いながら、ぜひ、この機会に根本的にも美髪になってしまいましょう。

先ほどご紹介した「ヘアアクセサリ」も、さまざまな種類があって楽しいものです。美しい銀髪の女性が、お洋服とコーディネートした布地のカチューシャでヘアアレンジされているのを見かけましたが、とても素敵でした。

湿気がいつもと違うおしゃれにチャレンジするきっかけになったとしたら、憂うつなこの季節も軽やかに過ごせそうです。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。