50-60代のエイジングケア

50代の肌はなぜくすむ? その原因と今すぐ始めたいくすみ対策

身体のこれから

「くすみ」とは、肌の明るさ(明度)が下がって、透明感や光沢が失われた状態のこと。具体的には、肌に茶色がかかっているように見えたり、黄みが増えて見えたりします。50代をこえた頃から多くなるのが、くすみのお悩みです。くすみケアは、原因を知ったうえで適切な対策を行うことが大切です。

【監修】三島ミコ

「肌のくすみが最近ひどくなった気がする......」。50代をこえた頃から多くなるのが、くすみのお悩みです。
肌全体におよぶくすみ対策には、シミやシワのようなピンポイントの肌悩みとは異なる難しさがあります。「放っておいたら、ひどくなってしまうのでは?」と、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

くすみケアは、原因を知ったうえで適切な対策を行うことが大切です。
今回は「50代のくすみ」をテーマに、透明感あふれる肌に導く秘けつをひも解いていきましょう。

50代の肌がくすむ5つの原因

「くすみ」とは、肌の明るさ(明度)が下がって、透明感や光沢が失われた状態のこと。具体的には、肌に茶色がかかっているように見えたり、黄みが増えて見えたりします。

どうして「くすみ」は起きるのでしょうか。その原因は大きく分けて5つあります。

原因1 紫外線の防御が足りない

紫外線を浴びると、「メラノサイト」というメラニンの生成工場でメラニンが生成されます。「メラニン」は、紫外線による害から肌を守るために生成される黒い色素です。日焼けしたときに肌が黒くなるのは、メラニンが増えるせい。過剰に分泌されれば、メラニンが肌に蓄積して、くすみの原因となります。

原因2 糖質を取りすぎている

糖質によってくすみが加速するのは「糖化」という現象が起きるため。糖化とは、"たんぱく質が糖との結合によって変性する現象"です。

糖化は、"みそやしょうゆが褐色に変化する反応"として古くから研究されてきました。近年では「皮膚のたんぱく質でも糖化反応が生じる」ことが、数々の研究から明らかになっています。特に、肌が黄色くなったように感じる「黄ぐすみ」は、糖化が原因と考えられるくすみと言われています。

原因3 ホルモンバランスが崩れている

更年期にあたる50代では、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく変化します。このタイミングで、肌の変化を感じる人は多く、くすみを強く感じやすい時期でもあります。

原因4 血行不良を起こしている

「くすみがひどい日」「そうでもない日」と、日によってくすみ度が変わるなら、血行不良が原因かもしれません。
肌には毛細血管が張り巡らされており、血流の調節を行っています。からだに「冷え」があると、この血流に滞りが起きやすくなるのです。どす黒く見えるくすみや、目の下のクマが気になる場合は、からだが冷えていないか、確認してみましょう。

原因5 ターンオーバーが滞っている

この「ターンオーバー」とは、肌の生まれ変わりの過程のこと。肌は「層」になっており、肌の奥から新しい肌が生まれると同時に、肌表面の古い肌(=角質)が剥がれていく仕組みになっています。

ターンオーバーが滞ると、肌の生まれ変わりの速度が遅くなります。すると、古い角質が肌に蓄積した状態に。古い角質に覆われた肌は、明るさが失われてくすんで見えてしまうのです。

今日から始めたい50代のくすみ対策

以上の5つの原因を踏まえつつ、ここからは具体的なくすみ対策の方法をご紹介していきます。

対策1 紫外線の予防をしっかりする

「紫外線を制する者は、くすみを制す」といっても過言でないほど、紫外線カットは重要です。まずは1カ月、紫外線を徹底的にカットして、"肌のくすみの変化"を観察してみてください。紫外線をしっかりカットするほど、くすみは抜けて、透明感を感じられるようになるはずです。

外へ出るときには、紫外線の強さに応じて適切な日焼け止めを使用しましょう。日焼け止めの選び方は、以下の表を参考にするとよいでしょう。

環境省「紫外線環境保健マニュアル2015」の情報を基に作図

対策2 糖質を控える

「糖化」が原因のくすみを防ぐためには、糖質を控えることが有効です。ただし、糖質もからだに必要な栄養素。食事では適量を取る必要があります。そこで控えたいのは、「お菓子」や「お酒」の糖質です。最近は、糖質を抑えたタイプのお菓子が各メーカーから発売されています。上手に利用してみるのも良いでしょう。
お酒は、選び方を工夫してみてください。たとえば、発泡酒やビールを焼酎やウイスキーに変えるだけで、糖質量を抑えることができます。

▼ お酒の糖質量の目安

発泡酒(中グラス)

12.6g

ビール(中グラス)

10.9g

梅酒(ロック)

10.4g

赤ワイン(グラス)

1.5g

焼酎(ロック)

0.0g

ウイスキー(シングル)

0.0g

対策3 からだを温める

くすみを引き起こす血行不良。その大きな原因となっているのが「冷え」です。日々の生活の中で、からだを温めるようこころがけましょう。適度な運動や入浴のほか、おすすめなのが「あいうべ体操」です。

この「あいうべ体操」は、口呼吸から鼻呼吸に移行するために開発された体操として、福岡市にある「みらいクリニック」の院長であり、内科医の今井一彰先生が考案されました。

鼻呼吸は、口呼吸よりからだを冷やしにくいといわれています。外気を副鼻腔で温めてから肺に入れることができるためです。

あいうべ体操では、顔の筋肉を動かすことによる血行促進も期待できるので、くすみ対策にぴったりの体操といえるでしょう。

対策4 適切なメイク落とし・洗顔を行う

滞ったターンオーバーを促進するために見直したいのが、「メイク落とし」や「洗顔」です。
肌表面にメイクや汚れがついたまま放置すると、ターンオーバーに悪影響を与えてしまいます。新しい肌が元気に育まれるよう、健やかな環境を整えましょう。

角質がたまって肌のゴワゴワ感がひどい場合には、角質を落とす「ピーリング」が効果的です。ピーリング機能のある洗顔料を選び、週1回を目安に使ってみましょう。ただし、ピーリングのし過ぎは肌を傷める原因に。肌の様子を見ながら、少しずつ試すことが大切です。ピーリングを行った後は、しっかり保湿することも忘れないでください。

対策5 十分に睡眠をとる

ホルモンバランスを整えるために重要なのが「十分な睡眠」です。良質な睡眠が取れるよう工夫してみましょう。

快眠のためには、寝室の「湿度・温度・光・音」、寝具の「保湿性・吸湿性・柔らかさ・軽さ」などの環境を整えることが大切ですが、くすみ対策として特に見直したいのが「枕」です。「首の角度が5度になる枕」が理想的といわれます。首下のすき間の深さは1〜6cmと人によって異なりますので、自分に合った高さを選ぶことが大切です。

百貨店や寝具専門店には、「枕コンシェルジュ」と呼ばれる専門家のアドバイスを受けられる店舗があります。一度相談してみるのも良いでしょう。

厚生労働省「e-ヘルスネット|快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」の情報を基に作図

対策6 上手にストレスを解消する

こころがストレスを受けている状態では、肌の機能も万全とはいきません。たとえば悩みごとがあるとき、「顔色が悪いけれど大丈夫?」なんて声をかけられた経験のある方もいるでしょう。実際、ストレスが強いときには肌のくすみも強くなりがちです。はつらつと輝く肌を手に入れるためには、ストレスを上手に解消することも欠かせません。

好きな本を読む、映画を見る、音楽を聴く――。ほんの少しの時間でも、こころがホッとひと息つける時間を作っていきましょう。まずは、おうちでくつろぐ時間のお供として、ていねいにお茶を淹れてみませんか。ハーブティ、紅茶、コーヒー、緑茶......好きなお茶の香りは、それだけでこころをリラックスさせてくれます。

肌の層を重ねるようにていねいに

透明感のある肌が魅力的に映るのは、そこに重ねられた肌の層に「ていねいな暮らし」を感じるからなのかもしれません。
どんな食べ物を食べ、どんなふうに眠り、どんな表情で過ごすのか――それが未来の「肌の層」へ反映されていきます。

今日も一枚、透明感を積み重ねる。そんな日々を過ごせたらと思います。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。