日焼け止めの「SPF」「PA」とは? 肌を守る日焼け止めの正しい選び方

身体のこれから

「お肌の大敵」のようにいわれてしまう太陽ですが、私たちのからだとこころの健康に欠かせない大切なものでもあります。日焼け止めを選ぶときには、「日焼け止めによる肌への負担」と「カットしなければならない紫外線の量」をてんびんにかけて、“ちょうど良いあんばい”を見極めましょう。

【監修】三島ミコ

「日焼け止め」を買うとき、どんな基準で選んでいますか。セールで安かったから、テレビCMで見かけたから、なんとなく良さそうだったから......。その基準は、まちまちかと思います。

しかし、日焼け止めにはひとつ、注意点があります。それは「日焼け止め自体も肌への負担になる」ということ。日焼け止めを選ぶときには、「日焼け止めによる肌への負担」と「カットしなければならない紫外線の量」をてんびんにかけて、"ちょうど良いあんばい"を見極めることが大切になります。

そこで役立つのが、日焼け止めに表示されている指標です。指標の見方がわかると、自分にぴったりの日焼け止めを選ぶことができます。

日焼け止めのSPF・PAの意味とは?

日焼け止め選びのカギを握るのは「SPF」「PA」という2つの指標。お手元の日焼け止めや化粧品には、どんな表記がされているか、確認してみましょう。

「SPF50」「PA++」など、さまざまな表記があることがわかります。「SPF」は紫外線のうちUV-Bを、「PA」はUV-Aの防止効果を示す指標です。
では、この「UV-B」「UV-A」とはそれぞれ何なのでしょう。順に見ていきましょう。

地表に届く2種類の紫外線「UV-B」「UV-A」

紫外線には、「UV-C」「UV-B」「UV-A」の3種類があります。このうち、「UV-C」はオゾンなどの大気層で吸収され、地表には到達しません。そのため、私たちが対策しなければならないのは、地表に到達する「UV-B」と「UV-A」になります。

環境省「紫外線 環境保健マニュアル」の情報を基に作図

「UV-B」「UV-A」が肌に及ぼす影響

私たちの肌は、「UV-B」「UV-A」の対策をせず、そのまま日差しを浴びてしまうと、さまざまな悪影響が生じます。

【UV-Bによる影響】

UV-Bが作用するのは主に肌表面の表皮。日差しを浴びた数時間後に、肌が赤くなった経験はありませんか? これを「サンバーン」と呼びます。サンバーンの炎症は、UV-Bによるものです。また、UV-Bはメラニンを増加させるため、シミやそばかすの原因にもなります。

【UV-Aによる影響】

UV-Aによる影響として挙げられるのが「肌の黒化」「シワ・たるみ」です。前述のUV-Bは、肌に赤い炎症を起こす紫外線でしたが、こちらのUV-Aは、肌を黒くする紫外線です。日差しを浴びた数日後から、肌が日焼け色に変化する現象(サンタン)は、UV-Aによるものです。UV-Aは肌の奥の真皮まで届くため、シワやたるみの原因にもなります。

UV-BもUV-Aも、美肌のためにはしっかり遮断したい紫外線であることがわかります。

SPFは「UV-B」、PAは「UV-A」の防止効果を示す

ここで最初の話に戻りましょう。SPFはUV-Bの防止効果を示し、PAはUV-Aの防止効果を示す...ということでしたね。それぞれの定義を解説します。

【SPFの定義】

SPFは、「Sun Protection Factor」を略したものです。UV-Bによるサンバーン(赤くなる日焼け)を、日焼け止めをつけていないときに比べ、何倍防げるのか、を示した数値です。たとえば、SPF30なら30倍のUV-Bを浴びるまで肌が赤くならない、という意味になります。何も塗らないと20分で肌が赤くなる状況とした場合、SPF30の日焼け止めを塗ると、20分×30倍=600分(10時間)赤くならない計算になります。

SPFの値は、30、40、50......と数字が大きくなるほど、UV-Bの防止効果が30倍、40倍、50倍......と大きくなります。
ちなみに、SPF50以上の製品は、「SPF50+」と表します。市販の日焼け止めのSPF最高値は「SPF50+」であり、「SPF60」「SPF70」などと表記された製品はありません。

【PAの定義】

PA、は「Protection Grade of UVA」の略語となり、UV-Aの防止効果を表しています。こちらの定義は以下の通りです。

PA+

UV-A防止効果がある

PA++

UV-A防止効果がかなりある

PA+++

UV-A防止効果が非常にある

PA++++

UV-A防止効果が極めて高い

適切な「SPF」「PA」の値はシーンによって変わる

ここまでお読みいただき、「しっかり紫外線予防したいから、SPFもPAもいちばん高い値のものを選びたい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、冒頭で触れたとおり、紫外線の防止効果が高くなるほど、日焼け止めによる肌への負担も大きくなる一面があります。

「大は小を兼ねる」は、日焼け止めには当てはまりません。トゥーマッチな日焼け止めは、肌への刺激となります。状況に合わせて、必要十分な日焼け止めを選ぶことが大切です。なお、適切な値を選ぶ際には、以下の図を参考にするとよいでしょう。

環境省「紫外線 環境保健マニュアル」の情報を基に作図

縦軸に「PA」、横軸に「SPF」の値が配置されています。たとえば、日常生活の散歩や買い物なら、「SPF10〜20」「PA+〜++」の日焼け止めで紫外線をカットできることがわかります。
シーンに合わせて日焼け止めを使い分けるようにしましょう。

期待どおりの効果を得るために

表記されたSPFやPAの効果を得るためには、日焼け止めを正しく塗る必要があります。「日焼け止めの白浮きが気になる」「塗った後の感触が好ましくない」と感じ、つい薄く塗ってしまう人もいるかもしれません。しかし、期待通りの効果を得るためには、適量を肌の塗布する必要があります。説明書をよく読み、効果のある使い方をしましょう。

日焼け止めの正しい塗り方

ここで日焼け止めの正しい塗り方を、確認しておきましょう。
顔に塗る場合の使用量は、説明書をもとに見当づけるとよいのですが、目安としてはクリームタイプの製品の場合はパール粒ひとつ分、液状タイプであれば1円玉1個分となります。これを手のひらに出し、もう片方の指で額、鼻、両頬、あごに点々と分けて置き、そこから周囲に伸ばします。二度塗りがおすすめです。
腕や足など広い範囲に塗る場合は、容器を手に取り、塗りたい場所に直接付けます。その後、手のひらでらせんを描くように均一に伸ばします。

日焼け止めの塗り残しやムラがあると、すき間から肌内部へ紫外線が入り込んでしまいます。肌全体に、まんべんなく塗ることが大切です。

2〜3時間おきに重ねて塗り直す

正しい塗り方で日焼け止めを塗ることができても、効果がずっと持続するわけではありません。日焼け止めは、手や衣類と触れたり、汗をかいたり、ハンカチで拭いたりすることで、徐々に落ちてしまいます。2〜3時間おきに塗り直し(重ね塗り)が必要です。 特に日差しが強い日には、こまめに重ね塗りできるよう、日焼け止めを携帯すると良いでしょう。

季節の太陽を感じましょう

「お肌の大敵」のようにいわれてしまう太陽。ですが、私たちのからだとこころの健康に欠かせない大切なものでもあります。

日焼け止めで適切な対策をすれば、季節の太陽に触れることができます。なかなか外出はできなくても、お庭やベランダ、開け放した窓から、日差しを感じてみませんか。

お日さまに向かって胸を開けば、うつうつとした気持ちもすっかり吹き飛ぶようです。きょうの太陽は、どんな表情をしているでしょうか。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。