手洗いによる「手荒れ」を防ぐ8つのハンドケア対策

身体のこれから

感染症予防のためには、こまめな手洗いが欠かせません。同時に「手荒れ」に悩まされる方が増えています。手荒れの主な原因は、大きく分けて「物理的な刺激」と「化学的な刺激」の2つです。早め早めの対策で「手洗いに耐えられる手肌」をキープしていきましょう。

【監修】三島ミコ

新型コロナウイルスはじめ感染症予防のためには、こまめな手洗いが欠かせません。「毎日、何度も何度も手を洗っている」という方が、たくさんいらっしゃることと思います。

同時に「手荒れ」に悩まされる方が増えています。手荒れが悪化すると、十分な手洗いが難しくなったり、日常生活にストレスを感じたりと問題が生じます。

早め早めの対策で「手洗いに耐えられる手肌」をキープしたいところです。今回は、手洗いによる手荒れ・乾燥を防ぐためのハンドケア対策をお届けします。

手洗いで手荒れがひどくなる原因

具体的な対策をお伝えする前に、「なぜ手洗いで手荒れがひどくなるのか」を簡単に解説します。

手荒れの2つの原因

手荒れの主な原因は、大きく分けて「物理的な刺激」と「化学的な刺激」の2つです。
「物理的な刺激」とは、肌と肌がこすれ合う摩擦や物に触れたときの刺激、「化学的な刺激」とは、洗浄料や消毒液などによる刺激です。

手荒れの原因

物理的な刺激

化学的な刺激

  • 皮膚の摩擦
  • 温水
  • 植物・紙・布
  • 洗浄料
  • 消毒液
  • 薬品

手洗いが手荒れを悪化させやすいのは、「物理的・化学的両方の刺激を手肌に与える」という特性があるからです。

  • 手指同士をこすり合わせる→物理的な刺激
  • 洗浄料の使用→化学的な刺激

1日に何度も手洗いを繰り返せば、そのぶん手肌への刺激は蓄積します。今までになく、手荒れが加速することもあるでしょう。そこに消毒用エタノールの刺激が加われば、さらに手荒れが悪化しやすくなります。

手荒れを防ぐポイント

手荒れを防ぐポイントは、物理的な刺激と化学的な刺激を、いかに少なくするかにあります。これは「手洗い時」だけではありません。日常生活のなかで全般的に工夫することで、手荒れを軽減できます。

手荒れを防ぐハンドケア 8つの対策

手荒れはつらいものです。しかし、手洗いや消毒の回数を減らすことはできません。手荒れを緩和する工夫を行いながら、十分な手洗いを継続することが大切です。
ここからは、今日からできる対策を8つ、ご紹介します。

1.手洗い時に高温の温水を使わない

手を洗うとき、高温の温水を使うのは避けましょう。たとえば、フライパンや食器の"油汚れ"は、高温の温水を使うとよく落ちます。同様に、手洗いに温水を使うと、手肌の皮脂(うるおい成分)まで取り過ぎて、乾燥しやすくなります。

冷水が冷たくてつらいときには、40度以下のぬるま湯を使うようにします。

2.手洗い後に手肌を保湿する

手洗い後は、ハンドクリームやワセリンなどで保湿しましょう。保湿は、手洗いで刺激を受けた皮膚を保護することにつながります。

保湿には何を使えばいい?

保湿には、手肌専用に開発されているハンドクリームがおすすめです。うるおいを効率的に届けることができます。一方、手荒れが特にひどい方や、敏感肌で合うハンドクリームが見つからない方に低刺激な保湿剤としてご提案できるのは「ワセリン」です。

ワセリンは皮膚科でもよく処方される保湿剤で、薬局などで入手できます。肌表面にとどまって、保護膜として働いてくれるため、手荒れによってバリア機能が弱まっている手肌を守る役割をしてくれるのです。

補足として、ひどい手荒れは皮膚科を受診して専門医の診断を仰ぐのが、本来、望ましい対応です。しかし、外出を避けて手荒れケアする必要のあるときには、ワセリンを知っておくと役立ちます。

ベタベタが嫌なときはどうする?

「保湿はしたいけれど、ベタつきは嫌」「仕事でパソコンや書類を触るので、ハンドクリームが使えない」。このようなケースでは、手洗い後に化粧水を手肌に付けるだけでも違います。
以下の写真は、筆者の洗面所の様子です。

ハンドソープや消毒液と並べて、化粧水を設置。手洗い後、タオルで水分を拭き取ったら、化粧水を1プッシュ、手肌になじませるのを習慣にしています。
一時は手の甲がひどく荒れ、かゆみや赤みが出ていたのですが、このやり方に変えてからはずいぶんと落ち着きました。

3.シャンプーを低刺激性に変え、シャンプーブラシを使う

手洗い以外でも、日常生活のなかで手肌に刺激を与える行為は緩和させていきたいところ。その代表ともいえるのが「シャンプー」です。
頭皮や毛髪を洗っているあいだ、手指はシャンプーの泡にさらされています。同時に、洗い流すときにはお湯が使われますから、乾燥を促進させてしまいます。

対策として、シャンプーはできるだけ低刺激性のものに変え、洗浄は手指ではなくシャンプーブラシを使うようにしましょう。

意識したいのは、シャンプーの泡に手指が触れている時間をできるだけ短くすること。たとえば、外出せず頭髪の汚れが気にならない日はシャンプーをお休みする、シャワーで洗い流すだけにするのも、ひとつの方法です。

4.食器洗いはゴム手袋を使用する

食器洗いによって手荒れがひどくなった経験のある方は多いでしょう。油汚れに強い食器用洗剤は、化学的な刺激の原因となります。手肌を守るためには、ビニール手袋の着用が効果的です。

さらに抜本的な解決法としては、この機会に思い切って「食器洗い機」を購入するのも良いでしょう。あるいは、家族で食器洗い担当をローテーションし、ひとりに手荒れの負担が偏らないよう工夫するのもおすすめです。

5.庭仕事やゴミの片づけは軍手を使用する

植物の手入れなどの庭仕事や、ダンボールの解体などのゴミ処理時は、無意識に手肌を傷つけやすくなっています。軍手を着用して、物理的な刺激から守りましょう。

「軍手をするのが面倒で、つい素手で作業しがち」という方も、すぐ手に取れる場所へ軍手を用意しておき、小まめに着用するよう心掛けてみてください。

6.手荒れが特にひどいときは綿の手袋で保護する

手荒れが特にひどいときは、そのまま生活していても、なかなか改善しません。生活しているだけで、どうしても一定の刺激を受けてしまうからです。そこで「綿の手袋」で保護した状態で過ごすと、一日中、手肌を刺激から守ることができます。

綿の手袋をする前に、手肌を保湿するとより効果的です。先にご紹介した「ワセリン」をすみずみまで塗布し、その上から綿の手袋を着用すると、うるおいの浸透もアップします。
水仕事をする際には、綿の手袋の上からビニール手袋をつけて行いましょう。

7.かゆくても手をかかない

手荒れの始まりは、"乾燥"からくることがほとんどです。
乾燥すると「かゆみ」が出やすくなるのですが、このとき無意識にかかないよう注意が必要です。

かいてしまうと、物理的な刺激となり、手荒れが加速してしまいます。かゆみを感じたら「乾燥しているサイン」と受け止めて、保湿を念入りにしましょう。

8.手肌にも日焼け止めを塗る

庭仕事で屋外に出るときや、日差しが強い日に外出しなければならないときは、顔だけでなく手にも日焼け止めを塗りましょう。

紫外線は、それ自体が肌への刺激となり、肌荒れを悪化させます。毎日の手洗いで弱っている肌は、「いつもなら大丈夫」な程度の紫外線でも、炎症を起こすリスクがあります。

手にも日焼け止めをしっかり塗りましょう。手荒れがひどくて日焼け止めを塗りづらいときには、手袋を着用して紫外線から手肌を守ってください。夏の季節に向けて「UVカット手袋」をひとつ持っておくと重宝します。

 

以上、8つの対策をご紹介しました。日常のなかへ取り入れていただければ幸いです。

手洗いによる手荒れを防ぐ8つの対策

  1. 手洗い時に高温の温水を使わない
  2. 手洗い後に手肌を保湿する
  3. シャンプーを低刺激性に変えシャンプーブラシを使う
  4. 食器洗いはゴム手袋を使用する
  5. 庭仕事やゴミの片づけは軍手を使用する
  6. 手荒れが特にひどいときは綿の手袋で保護する
  7. かゆくても手をかかない
  8. 手肌にも日焼け止めを塗る

大変な日々だからこそ細かなストレスケアを

大変なことが起きると、それに比較すれば"小さい"と思えるストレスたちが、軽視されがちです。

「今はそんなことを言っている場合じゃない」
「これくらいは我慢しよう」

しかし、こんなときだからこそ、「日常のなかの細かなストレスを見逃さない」ことが大切なのかもしれません。大変なことに立ち向かえるよう、それ以外では自分にストレスをかけない工夫です。

少しでも心地よく手洗いができるように。少しでも気持ちよく過ごせるように。困難な毎日を、ほんの少しでも明るく暮らせるように――。

長期戦になったとき、むしばまれるのはこころです。こころの健康をいかにキープしていくか。それはこころが崩れてからではできないことです。
まずは毎日、何度も繰り返す手洗いから。少しでも快適なものへと変えていけたらと思います。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。