【第4回】肩こり解消は、肩甲骨と胸の筋肉の柔軟性がカギ!
大人の不調にアプローチ おうちでヨガ

肩こりを解消するには胸の筋肉の柔軟性と肩甲骨の可動域をアップすることが重要です。こまめなストレッチや正しい姿勢を心がけるなど、日ごろの生活習慣でもつらい肩こりを和らげていきましょう。
心身をリラックスさせ、心の安定ややすらぎをもたらしてくれるヨガ。どんな方にもおすすめできる健康法ですが、この連載では特に、大人の女性特有の不調にアプローチするヨガをヨガインストラクターの荻原由紀さんが指南。メディカル発想に基づく理論と、大人の女性が無理なくできて効果的なポーズをわかりやすく解説します!
※ご紹介のヨガは病気の治癒・回復を保証するものではありません。
※からだに強い痛みがある場合やヨガ中に痛みが出た場合は、無理に行わないでください。
「肩」というと人によってイメージする場所はさまざまかもしれません。
体のつくりで言うと、"肩"は主に3つの骨、「鎖骨」「上腕骨(腕の骨)」「肩甲骨」から成り立ち、その周りをさまざまな筋肉が支えています。その筋肉が疲労や血行不良を起こしたり、さらに硬くなった筋肉などの刺激で近くを通る抹消神経が傷いたりすることで、こりや痛みを感じてしまいます。
特に僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる首の裏から肩先、背中まで広がる大きな筋肉は、長時間同じ姿勢でいたり緊張状態が続いたりすると負担が重なり、いわゆる肩こり(首こり)を引き起こしやすくなります。特に料理や裁縫など、家事をしているときは、体が前のめりになりやすく、頭と首の重さでより肩に負担がかかりやすい状態といえるでしょう。また、最近急増しているスマートフォンによる肩こり(首こり)も、同様の負荷が原因です。使い過ぎないよう気を付けたいですね。
そんなつらい肩こりですが、解消するには胸の筋肉の柔軟性と肩甲骨の可動域をアップすることが重要です。
肩を揉むときに一緒にほぐすことが多い肩甲骨周りのケアは実感があるかもしれませんが、意外と胸周りのケアは忘れがちではないでしょうか。胸の筋肉が硬いと猫背になって、前のめりになり、頭と腕の重さを支えるのに負担がかかって肩こりを悪化させてしまうのです。
まずは胸の筋肉を十分にほぐすことから始めましょう。
胸の筋肉がほぐれたら、次は肩甲骨です。肩甲骨は胴や腕とつながりさまざまな筋肉で支えられています。肩甲骨周りの可動を広げることで肩全体の血流を促し、肩こり解消につながります。

荻原さん
肩こりはこまめなストレッチや正しい姿勢を心がけるなど、日ごろの生活習慣でも和らぎますよ。あとはリラックスや十分な睡眠も大事ですね。
ポーズ1 胸のストレッチ
1、壁と平行に立ち、右手を垂直に上げます。
2、右手はそのままにし、体を少しずつ左側に向けます。胸の筋肉が心地よく伸びるところで5呼吸キープしましょう。終わったら反対側も行います。
ポーズ2 牛面のポーズ
1、マットの上であぐらをかきます。※あぐらが難しければイスに座っても大丈です。なるべく骨盤を立てて背筋が伸びるようにしましょう。
2、右手を上げます。手のひらは背中側に向けましょう。
3、右ひじを背中側へ曲げます。左手で支え、より中央に深めましょう。
4、左腕は左胸が気持ちよく伸びるように大きく広げ、手首を内側に返します。胸の広がりをキープしながら背中に向かって肘を曲げます。可能な方は手をつないで上下に引っ張り合ってみましょう。そのまま5呼吸キープし、終わったら反対側も行います。
<バリエーション>
手が届かなくてつらい方は、フェイスタオルを使うと無理なく行えます。
ポーズ3 ねこのねじりのポーズ
1、手とひざを腰幅に開き、マットの上に四つんばいの姿勢になります。肩の真下に手、お尻の真下にひざが来るように意識しましょう。
2、左腕を手のひらひとつ分前に出し、右手は上を向けます。準備ができたら息を大きく吸いましょう。
3、息を吐きながら右腕を左手の下にくぐらせて、右肩をマットにつけます。肩甲骨周りが気持ちよく伸びているところで5呼吸キープ。終わったら反対側も行います。
※頭がマットにつかない場合は、クッションなどで高さを調整してみてください。
まとめ

荻原さん
いかがでしたか? はじめはムリをせず気持ちよく呼吸ができる範囲で行ってみてくださいね。筋肉の緊張がほぐれると気持ちのリフレッシュにもなりますよ。
監修・ポーズ指導
