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そのにおい、本当に加齢臭?知っておきたい中高年のにおいの原因と対策

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においの原因や特徴のほか、生活習慣の改善をメインとした対策方法をご紹介します。

この記事の監修

中西 真理

医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。現在は、フリーライターとして主に病気や薬に関する記事を執筆。

体臭は、多かれ少なかれだれにでもあるものです。そして、年齢とともに変わってくるものです。中高年になると、いわゆる「加齢臭」を気にする方も増えてきますが、気をつけなければならないのは加齢臭だけではありません。
汗に含まれる成分が原因で発生する「ミドル脂臭」、疲れやストレスがたまると発生しやすくなる「疲労臭」、そのほか、糖尿病や便秘など病気が原因で独特の体臭が生じることもあります。

このように体臭にはいろいろな種類がありますが、においの原因はそれぞれ異なります。そのため、原因を見極めず場当たり的な対応をしていると、問題が全く解決しないこともあります。
そこで今回は、ミドル世代やシニア世代が気をつけるべき体臭にフォーカスを当て、においの原因や特徴のほか、生活習慣の改善をメインとした対策方法をご紹介します。

においの種類は多種多様! 原因ごとに異なるにおいと特徴

体臭の主な原因となるのは、皮膚から分泌される皮脂や汗です。分泌直後の皮脂や汗はほとんどにおいませんが、皮膚表面に存在するさまざまな菌(皮膚常在菌)の働きで酸化・分解されると、においの原因となるガスを放つようになります。このにおいのもととなる成分は、数百種類以上にもおよぶといわれています。

中高年以降で特に問題となる「加齢臭」は、40歳以降に増えてくる「ノネナール」という物質が原因です。ノネナールは、年齢とともに増加する「パルミトオレイン酸」という脂肪酸の一種が、酸化されたり分解されたりすることで発生します。加齢臭は「油くさいにおい」と「青くさいにおい」をあわせたようなにおいで、主に胸や背中などから発生します。

一方「ミドル脂臭」は、30歳代後半~40歳代後半に多く発生する「ジアセチル」という物質が原因です。ジアセチルは、汗に含まれる乳酸が皮膚常在菌によって代謝され、つくり出される物質です。「使い古した油のようなにおい」で、後頭部や首の後ろ側などから発生します。

そして、「疲労臭」は、疲労時に蓄積しやすい「アンモニア」が原因で発生する体臭です。体内で発生したアンモニアは、通常肝臓で分解されて尿に排出されます。しかし、からだが疲れていると肝臓が十分に機能しなくなります。そして、分解されなかったアンモニアは汗と一緒に排出され、「ツンと鼻をつくようなにおい」を放ちます。疲労臭は疲労やストレスが原因なので、どの年齢でも発生する可能性があります。

加齢臭・ミドル脂臭・疲労臭の特徴

 

加齢臭

ミドル脂臭

疲労臭

においやすい年代

40~50歳代

30~40歳代

あらゆる年代

においの原因となる成分

ノネナール

ジアセチル

アンモニア

におう部位

胸や背中など

後頭部や首の後ろなど

全身の汗をかく
部位

そのほか、病気が原因で体臭が発生することもあります。たとえば、糖尿病でインスリンの働きが十分でない人は、体内にケトン体という物質が増えてきます。ケトン体は甘酸っぱいにおいのする物質なので、ケトン体が増えてくると甘酸っぱい体臭を放つことがあります。また、便秘になると、腸内細菌により生成される有害物質が血液で全身に運ばれ、便の腐敗臭のような体臭になることがあります。

体臭に影響する病気の例

糖尿病

甘酸っぱいにおい

便秘

便の腐敗臭

脂漏性皮膚炎
(皮脂の分泌が盛んな部分に生じる皮膚の病気)

油っぽいにおい

腎機能の低下

アンモニア臭

歯周病

腐敗臭

副鼻腔炎

腐敗臭

胃腸障害

すっぱいにおい、腐敗臭

痛風

古いビールのようなにおい

パーキンソン病

ムスクのようなにおい

におい対策は生活習慣の改善から

からだのにおいは、市販の制汗剤や芳香剤などである程度ごまかすことができます。しかし、それでは根本的な解決にはなりません。においをやわらげるためには、生活習慣から見直す必要があります。

加齢臭対策

加齢臭の原因となるノネナールは、皮脂や汗のケアをすることで発生量を抑えることができます。汗をかいたらこまめに拭き、シャワーや入浴で体の汚れをていねいに落とすようにすると効果的です。ただし洗い過ぎると、失われた皮脂を補おうとしてかえって皮脂の分泌が増えてしまいます。ゴシゴシ力強く洗うのではなく、やさしく洗いましょう。また、においのついた衣類や寝具もこまめに洗うようにしましょう。

食事は、脂肪酸(パルミトオレイン酸)のもとになる肉類やマヨネーズなどを減らすようにしましょう。そして、ノネナールの発生に大きく関わるとされる活性酸素を減らすために、ビタミンC・Eを摂るようにしましょう。抗酸化成分を含む食品の摂取もおすすめです。

ビタミンCを多く含む食品

かんきつ類・イチゴ・野菜・イモなど

ビタミンEを多く含む食品

ナッツ類・植物油・魚介類・アボカドなど

抗酸化成分を多く含む食品

緑茶・ゴマ・大豆など

ミドル脂臭対策

ミドル脂臭の原因となるジアセチルは、汗に含まれる乳酸の発生を抑えることで減らすことができます。乳酸は疲労時に増えるので、できるだけ疲れやストレスをためないようにしましょう。また、運動不足やエアコンなどの影響で汗をかく機会が少ないと、汗腺がおとろえて老廃物が排出されにくくなってしまいます。定期的に運動することが理想ですが、できない場合は入浴時にしっかり温まって、汗腺の機能を維持するようにしましょう。

そしてミドル脂臭には、汗腺機能を高めるとされるクエン酸の摂取がおすすめです。クエン酸は酢(黒酢、リンゴ酢など)やかんきつ類に多く含まれます。

なお、ミドル脂臭は頭部を中心に発生するので、頭皮をていねいに洗うようにしましょう。ただしこちらも、洗い過ぎは逆効果です。また、枕カバーを週に1回は洗い、髪の毛ににおいが再付着しないように気をつけましょう。

疲労臭対策

疲労臭の原因であるアンモニアは、疲労やストレスで肝機能が低下し、また腸内環境が悪化すると蓄積しやすいことが知られています。睡眠を十分にとって、疲れを次の日に持ち越さないようにしましょう。そして、飲酒や喫煙は肝機能に悪影響を与えるので、できるだけ避けるようにしましょう。一方、シジミなどに含まれるオルニチンは、肝臓でアンモニアの分解を助ける働きがあります。オルニチンは、ヒラメやマグロ、チーズ、キノコ類などにも含まれるので、これらを食事取り入れることがおすすめです。

病気が原因で体臭が生じている場合

まずは、病気の治療が最優先です。糖尿病や便秘などが原因の場合、生活習慣の改善で病気の症状が良くなれば、体臭もやわらいできます。

まとめ

加齢臭やミドル脂臭などは、ある程度の年齢になればだれにでも生じうるものです。しかし、生活習慣を見直すことでやわらげることができる体臭もあります。 「におい対策」で生活習慣を変えることは何となく面倒な気がしますが、長期的に見れば健康寿命を伸ばすことにもつながります。体臭を「くさい」「イヤなもの」とするのではなく、よりよい生活をおくるための「ありがたいきっかけ」ととらえ、ストレスの少ないポジティブな生活を楽しみましょう。