50代から目立ち始める「首のシワ」を美しく改善するお手入れ方法

身体のこれから

【特集】いつでも若々しくアンチエイジングケアのポイント

【監修】三島ミコ

50代に入って、「首のシワ」が気になり出した方は多いのではないでしょうか。首元にシワがあるかないか。それ自体は小さな差なのに、「見た目年齢」は大きく変わってしまうから、悩みますよね。
しかし、「顔のお手入れ方法」は知っていても、「首のお手入れ方法」を知っている人は少ないもの。もし、今まで何も首のお手入れをしていなかったのなら、逆にチャンスかもしれません。ちょっとお手入れしただけで、すぐに手応えを感じられる可能性があるからです。
さっそく「首のシワを改善するケア方法」をご紹介します。

首のシワの原因とは?

まずは「首のシワ」はどうしてできてしまうのか、その原因を把握しておきましょう。

原因1:筋肉の衰え

首のシワの第一の原因は「筋肉の衰え」です。特に大きな影響を与えているのが、表情筋のひとつである「広頸筋(こうけいきん)」。

広頸筋は、あご下から胸まで広範囲につながっている、口角を下に引いたときに動く筋肉です。試しに「イーッ」と口角を下げてみてください。いま動いた筋肉が広頸筋です。この筋肉が衰えると首のシワが目立ってしまいます。
加齢による姿勢の変化で広頸筋はたるみます。まっすぐ背筋が伸びていれば広頸筋はピンと張っているのですが、背中が丸まると、ゆるんで垂れ下がってしまうのです。
下を向き続ける「スマホ」の長時間使用も姿勢の悪化を招きますから、注意が必要です。

原因2:乾燥肌(ドライスキン)

首のシワは、うるおっている状態では目立ちませんが、乾燥すると目立ちます。例えば、「水に濡れた紙」を想像してみてください。水分が蒸発して乾くと、シワシワになりますよね。同じことが、肌でも起きてしまうのです。

特に50代は、肌の乾燥が急速に進みやすい時期。皮膚のうるおい成分である『ヒアルロン酸』は、赤ちゃんにある割合を1とすると、50代でほぼ半減、70代では0.2前後にまで減ってしまうと言われています。

自分でも気付かないうちに肌内部の乾燥が進み、首のシワが進行している可能性があるのです。

原因3:皮膚の厚みの減少

年齢とともに肌に起きる変化は、うるおい量だけではありません。「皮膚の厚み」にも変化が起きています。皮膚の厚みと密接な関係を持つのが『コラーゲン』です。コラーゲンは真皮に存在し、肌のハリ・弾力をキープする働きをしています。

大切なコラーゲンを守るために避けるべきは「紫外線」です。紫外線は真皮まで到達し、コラーゲンを壊してしまいます。年々浴びた紫外線量が蓄積するのに反比例して、コラーゲン量は減少していきます。加えて、更年期に入った女性は、コラーゲン量の減少速度が加速し、皮膚が急に薄くなるとも言われています。「更年期になってから首のシワが増えた気がする」と感じているのなら、決して気のせいではありません。肌の厚みが減れば、それだけシワが目立つようになります。

原因4:リンパの流れの悪化

筋肉の衰えや乾燥、皮膚の厚みの減少......このような要因があっても、肌の新陳代謝が活性化していれば、首のシワが深刻化する前に回復することも可能です。ところが「リンパの流れ」が悪化していると、タンパク質などの"肌のもと"となる栄養素が細胞に行き渡らず、代謝が悪くなります。その結果、肌のターンオーバー(生まれ変わりのサイクル)が乱れ、シワが回復せずに定着してしまうのです。
"むくみの原因"として知られているリンパの流れの悪化ですが、実はシワの形成にも大きな影響を与えています。

今日から自宅でできる首シワ改善5つの具体策

首のシワができる原因が理解できたら、さっそく改善のための具体策に取り組んでいきましょう。今日から自宅でできる5つの方法をご紹介します。

1.首の筋肉を伸ばすヨガポーズ

広頸筋の衰えを防ぐためには、首元の筋肉をしっかり伸ばして、しなやかにキープするストレッチが有効です。
ぴったりのポーズとして、ヨガの「猫のポーズ」をご紹介します。

1.四つんばいになり、腕と太ももをほぼ垂直にします。肩甲骨は軽く外側へ開き、首は穏やかに伸ばします。

2.息を吐きながら背中を丸くします。尾骨は軽く下に向け、肩甲骨は穏やかに盛り上げます。このとき頭は下に向け、首は脱力します。左右の手のひらは軽く床を押してください。

3.息を吸いながら背中を軽く反らせます。腰は強く反らさずに穏やかに伸ばします。肩から耳を遠ざけるようにして、首は反らさず斜め上に伸ばします。

やわらかく繰り返す呼吸のリズムで2.と3.を30秒から2分程度、繰り返しましょう。毎朝、起床時に行うと首から全身が目覚めて、フレッシュな一日をスタートできます。

2.1年中できる紫外線対策の工夫

首元の皮膚のコラーゲンを守るためには、今後できる限り紫外線を浴びないことが重要です。

首の紫外線対策の工夫

  • つばの広い帽子をかぶる
  • 日傘をさす
  • 首にも日焼け止めを塗る
  • 首にストールを巻く

これらの対策は、夏季だけでなくぜひ1年を通して行いましょう。特に「ストール」は、ネックラインの紫外線対策とおしゃれが両立できるのでおすすめです。お気に入りのストールがいくつかあれば、楽しく首のシワ対策が続けられますね。

3.首シワ改善成分が配合されたスキンケア

首元の乾燥肌を解消するためには、顔と同じように首も保湿をしましょう。顔のお手入れの最後に、手に残った化粧水やクリームをやさしく塗ってあげてください。より積極的に首シワをケアしたいなら、「シワ改善成分」が配合されたクリームや美容液がおすすめです。「シワを改善する」という効能効果の承認を受けている成分は、下記の3種類です。

3つのシワ改善成分

  • NEI-L1(ニールワン)
  • 純粋レチノール
  • リンクルナイアシン

これらが配合された医薬部外品(薬用化粧品)なら、首シワ改善の効果が期待できます。塗るときには、指の腹を使って、シワの奥に押し込むようになじませます。

4.老廃物を流すネックマッサージ

首のリンパの流れを改善するためには、老廃物を流すネックマッサージを行いましょう。全身のリンパ液が集まる「リンパの最終出口」が鎖骨にあるので、鎖骨のリンパマッサージから始めると、スムーズに流れやすくなります。

<老廃物を流すネックマッサージの方法>

このマッサージは、ぜひ寝る前の習慣にしてみてください。ラベンダーやスイートオレンジなど、安眠を誘う精油を混ぜたボディオイルを使うのもおすすめです。ボディオイルをデコルテまでのばせば、ゆったりとした気分に。リラックスすることは女性ホルモンのバランスにも良い影響を与えます。
なお、マッサージを終えて眠るときには、「枕の高さ」に注意してください。高すぎる枕は、首の詰まりを引き起こしてしまいます。リンパ液がスムーズに流れて新陳代謝が活性化するように、自分の首に合った高さの枕を使いましょう。

5.シワ予防に取り入れたい食べ物

最後に、首のシワを改善し予防するために取り入れたい食べ物をご紹介します。ひとつめのポイントは、紫外線の肌ダメージを防ぐ「抗酸化成分」です。

<主な抗酸化成分と食品>

ビタミンC

レモン、アセロラ、キウイ

ビタミンE

ナッツ、モロヘイヤ、うなぎ

ポリフェノール

緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、ワイン

βカロチン

みかん、かぼちゃ

リコピン

トマト

ターメリック

カレー

フラボイド

ハーブ、豆腐類

2つめのポイントは、"肌のもと"となる「タンパク質」です。

<タンパク質を含む食品>

動物性

肉類、魚介類、卵

植物性

大豆

特に「大豆」には『大豆イソフラボン』という女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをする成分が含まれ、更年期には積極的に取りたいですね。
首のシワ予防には、食事ごとに「抗酸化成分を含む食品」「タンパク質を含む食品」の両方を取り入れると効果的です。

レシピ例

  • 鶏肉のカシューナッツ炒め
  • 牛肉の赤ワイン煮込み
  • 白身魚のハーブ焼き
  • トマトと卵の中華炒め
  • かぼちゃと大豆の煮物

穏やかなお手入れ時間は豊かな大人の特権

「今まで首のケアなんて、全然してこなかった......」
それは、仕事・家事・育児・家族のケア......と必死に生きてきたからではないでしょうか。自分のお手入れなんて後回しにして、がんばってきた日々。
そんな日々を懐かしく振り返りながら、穏やかな気持ちで自分のお手入れができるのは、豊かな大人の特権です。「憎きシワ!」と躍起になってケアするよりも、どうぞ慈しむように、ゆったりと取り組んでみてください。それは、あなた自身へのご褒美でもあるのです。

大切に磨かれた肌は、やがて自然と輝き出すでしょう。20代、30代の頃とはまた違った美しさに、ハッとするかもしれません。さっそく今日からお手入れを始めてみませんか。やさしい時間を重ねたその先に、今とは少し違った自分が見えるはずです。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。