住友林業ホームテック【日常も達人】

日常も達人

vol.2 仕事も食事も手抜きのできない職人気質 漆芸家 工藤茂喜さん

錆仕上げのへぎ板花具。ありのままの木肌が、シンプルなフォルムで凛とした存在感に。花いけ/上野雄次

錆仕上げのへぎ板花具。ありのままの木肌が、シンプルなフォルムで凛とした存在感に。 花いけ/上野雄次

子どもの頃から、おいしいものに目がなくて。今では工藤家の賄い担当です。

2段の「方丈箱」。ふた、上段、下段が吸い付くように重なります。花いけ/上野雄次 木の塊に楔を打ち込み、導管に沿って割り裂く古来からの技法を「へぎ」と言います。漆芸家の工藤茂喜さんは、10年ほど前から、この「へぎ」材に拭き漆や錆さび仕上げをほどこした作品に取り組んでいます。

「節があったり、ねじれていたり、どんな風になるかは割ってみないとわからない。ほとんど木におまかせで、あんまり仕事してないですね、僕は」。
工藤さんはおおらかに笑いますが、5枚重ねの小皿や蓋物は、合わせれば吸い付くようにぴたりと重なり、絶妙なフォルムと深い色あいが独特の美しさをたたえています。木のもつ存在感が際立つその姿は、確かな技術と丁寧な手仕事に裏打ちされていればこそだと分かります。

大学院で漆芸を専攻後、寺院などの建築漆工の仕事に長く携わり、40歳間際に作家活動に入った工藤さん。現在は同じく漆芸家の奥様と「スタジオ温おん」を主宰しています。

今年5月には自宅兼スタジオに、ご夫妻それぞれのお父さんと渡り廊下でつながった三世帯同居をはじめました。 子どもの頃からおいしいものが大好きな工藤さんは、この同居を機に、朝6時半に起きて家族の食事を3食規則正しく作る「賄い担当」を自任。ただ、「食事時間で仕事に区切りをつけることにまだ慣れなくてね」。すると「職人気質だから手抜きができないんです」と奥様がにっこり教えてくれました。

KUDO,Shigeki
漆芸家。1958年東京生まれ。
86年東京藝術大学工芸科大学院漆専攻修了。
京都西本願寺などの寺院建築漆工を経て、「へぎ」を中心とした作品を国内外で多数発表。また、公共空間の金箔工事や漆を施した玄関扉、床材、建具なども手がける。
高円寺にアトリエ兼ギャラリー「スタジオ温」を構える。
http://www.studio-on.net/

上右/ 2段の「方丈箱」。ふた、上段、下段が吸い付くように重なります。 上中/奥様のかおるさんもいっしょに昼食。器は工藤さんの作品。テーブルは市販のものに拭き漆をかけたとか。 上左/「賄い担当」の腕前を披露。 下/バーナーで焼き目をつけた絶品「鶏丼」。ご飯と鶏肉の間に隠れた自家製山椒の実の塩煮が絶妙のスパイス。

わたしのお気に入り

  • nakamuraの靴

    この靴は、セミオーダーの手作りです。偶然ネットで見つけて、シンプルで木靴みたいな感じに一目惚れ。7、8 年履いていますが、すごく履きやすいです。
    東京都足立区北4-5-4 2F
    ☎ 03-3898-1581
    http://www.nakamurashoes.com/

  • 奈良県橿原市今井町

    数年前に家族で旅行した今井町は戦国時代から続く町で、約500 棟の歴史的建造物が今も地元の人の暮らしとともに生きているんです。「住まい」についていろいろ考えさせられました。
    近鉄大和八木駅、JR畝傍駅より徒歩10分 近鉄八木西口駅より徒歩5分
    写真提供/一般社団法人橿原市観光協会

  • 旅ベーグル

    初めて食べたとき「うまい! ! 」とびっくり。おすすめは、スパイシーな「デュカ」とオレンジピールのベーグルです。
    東京都台東区谷中2-5-14
    営業は水・木・土・日曜、祝日。各日7:00 ~、12:30 ~、売切れ終了。
    ☎ 03-5814-3772
    http://www.tabibagel.net/